段階的に育む力見据える 文教大で学級づくりセミナー

大前准教授は学級経営ピラミッドを示し説明した
大前准教授は学級経営ピラミッドを示し説明した

文教大学生涯学習センターは、学級経営に悩む教師に向けた学級づくりセミナーを8月26日、埼玉県越谷市の同学で開いた。より良い学級を築くための理論と実践を講師3人が指導した。大前暁政京都文教大学准教授は、クラス運営の土台として、ルールを大事に全ての子が安心・安全に過ごせる指導の必要性を指摘。段階的に子ども同士の協働性や自治力を育てたいとして、ピラミッド構造の中で具体的な視点や実践を示した。

同准教授は、「子どもを自立へ導く学級経営ピラミッド」と題し、確かな学級づくりのステップと構造、それぞれの指導例を説明した。

段階はベースから▽安心・安全▽協力、所属感▽協調▽自治――という過程。小学校教師時代の荒れたクラスの立て直し例も織り交ぜ、考え方と指導例をあげた。

最も基礎となる土台は「全ての子が安心・安全を実感できる学級の実現」。この段階では、クラスに秩序をもたらすためのルール設定と順守を図ろうとした。学級の状況に応じて、シンプルな基礎ルールを決め、教師がしっかりリーダーシップを果たす必要性を強調する。同准教授は、「人が話しているときは黙って聞く」「クラスメート間の差別行動の撲滅」というルールや指導の観点を定め、少しずつ、秩序のある落ち着いた学級を作ったと語った。

続いて、学級で子どもたちが果たす個々の役割を決めたいとする。役割を担い、それぞれがクラスへの貢献を認め、褒め合う状況を作る中で「協力や所属感が高まる」と述べた。

この段階を満たせたら「協調する活動」を推進する。学校行事の出店運営などを機会に、利害が異なる子ども同士でも、クラスのために協力する力を養っていけるとした。

ステップを踏んで、子どもが自己肯定感や所属感などを十分に満たす中で、最終目標は「子どもの自治による学級運営」を掲げる。教師の指示に従うだけでなく、子どもが自立して必要な行動や研さんを積む状況を育てていく。

そのための教師の働きかけでは、▽任せる▽協同させる▽問題解決させる▽参画させる――を挙げる。子どもに任せる活動では、時に進行や結果が思わしくない場面も生じる。それでも、個々の子どもが課題への当事者意識を持ち、真摯に取り組む力が高まるので、教師は適切な支援をしながら、見守る必要があるなどと話した。

一方、「子どもたちの自治」「主体的に取り組む力」の実現は、一連のステップと土台がしっかり育っている必要がある点を強調。育ちの構造を踏まえ、確かな実践を進めていく必要性も訴えた。

授業づくりでも、学級経営のステップと観点を大事にしたいと説明。▽できる、楽しい授業▽主体的な学び▽協同学習▽高い学習目標への挑戦――という段階で深まる実践を学級運営と並行して進めるとよいとした。

同センターでは、現職教員に向けた各種支援講座を実施。10月1日にはアクティブ・ラーニングをテーマにした教育課題解決セミナー、10月8日には発達障害支援セミナーを行う。

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