教育と入試の一体改革を説明 高大接続でフォーラム

変化する大学入学者選抜の実例を示した
変化する大学入学者選抜の実例を示した

大学コンソーシアム八王子は、中教審答申や各大学の実践事例を示しながら、今後の大学教育と高大接続改革について考えるフォーラムを8月29、30の両日、東京都八王子市の学園都市センターで開いた。文科省高等教育局大学振興課の角田喜彦課長は、高校と大学教育、大学入学者選抜を一体的に変革する高大接続システム改革について報告。リクルート進学総研の小林浩所長は、同改革の3つのアドミッション・ポリシーを踏まえた特色ある大学入学者選抜や教育の事例を説明した。

角田課長は、高校と大学教育、大学入学者選抜を三位一体で改革する意味を解説。今後、少子化と国際競争が一層進展する中で、▽知識・技能の確かな習得▽思考、判断、表現力▽主体性、協働性――の3要素をバランスよく育成、評価する高大教育の必要性を指摘する。

ただ、「大学入試が変わらないと高校教育は変わらない」との視点から、連動的な取り組みを推進。大学は入学者を多面的に評価する選抜と多様な教育プログラムを整備し、提供する必要性が生じていると述べた。

小林所長は、高大接続改革のねらいと方向性を押さえながら、今後求められる大学の入試者選抜や教育内容の変革を、実例を交えて話した。

こうした改革の中で大学は、入学者への3つのアドミッション・ポリシー(受け入れ方針)を設定し、示す必要があると話す。その視点は、▽大学の強み、特色、社会的な役割を踏まえ、学生にどのような力を育むか▽入学者に求める能力は何か▽入学者選抜で高校までに培った力をどう評価するか――。

昨年9月発表の「国立大学協会アクションプラン」では、確かな学力と多様な資質を持った高校、高等専門学校卒業生を大学で受け入れるために、平成33年までに、推薦やAO、国際バカロレア入試などを拡大すると提言。これによって入学する者の定員として、全体の30%程度の受け入れを目指している。

これは、大学の理念に適合した人材の多面的評価を行うもの。大学が求める人材像をメッセージとして示す中で、学生がそれに呼応する「相互選択型の選抜」を推進するものであると解説する。

京都大学では、今年度から特色入試を実施。「自ら課題を発見し、チャレンジする」自発的、能動的学びのポテンシャルがある人材選抜を目指す。高校までに育成した学びの力や志などを総合評価。調査書や学業活動報告書に加え、大学での学習目標を記述した「まなびの設計書」審査などを織り交ぜた審査を行っていると話した。

今後、高校と大学を通じて求められる教育の視点として、▽生涯学び続ける力を持つアクティブ・ラーナーの育成▽どんな学力を身に付けたかを自分のストーリーの中で語れる学生▽ティーチングからラーニングへの学び方改革▽知識に加えて思考、判断、表現力、意欲も評価――を挙げた。

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