スクールロイヤーで研究調査 文科省が概算要求に

不登校やいじめ、学校管理下の事故などで、学校と保護者などとの間にトラブルが生じる。ときにそれは、訴訟に発展している。こうしたなか、文科省は平成29年度の概算要求に学校での法律相談に応えることができるようにスクールロイヤーの研究調査を新たに盛り込んだ。

スクールロイヤーの弁護士は、▽いじめ防止などの対策のために学校に法的な助言をする▽保護者と学校のトラブル相談を請け負う▽学校や教委の判断では迷う事案について、法的側面からアプローチし、法令に基づく対応・助言を行う▽学校に出向いて人権教育などを実施する――。研究調査の委託先として、3自治体を公募する。費用は600万円。

文科省の担当者は「保護者とのトラブルが、教員の多忙化の一因となっている。将来的にはチーム学校の外部人材の一員として弁護士を活用できればと思っている」と語る。

教師の多忙化解消に向けて外部人材を活用する「チーム学校」の在り方を検討している同省の作業部会は昨年度、日弁連から同制度についてヒアリングをしていた。

日弁連は、1校に1人のスクールロイヤー配置を提案。保護者からの暴力や不当要求、給食費の不払いが増加しているなか、教職員が適切に対応できるように助言を行うとしていた。教育現場で行ったさまざまな事案を分析したところ、教育問題にかこつけて金銭を要求する「民暴事案類型」や、困らせるだけの目的でクレームをつける「行政対象暴力類似型」など不当な実態が浮かび上がった。

同制度を導入している全国の自治体も増えている。大阪府教委では、平成25年度から実施している。大阪と堺の両政令市を除く府内全域カバー、27年度は小・中・高校から111件の相談が寄せられ、弁護士9人が対応した。

大阪府の担当者は「いじめによるトラブルなど、学校の責任が問われる場合が多い。弁護士からの法的な助言で、助かっている」と話す。

弁護士が学校に関わる案件で相談に応じるこうした仕組みは、大阪と堺の両市教委のほか、岡山県教委などで徐々に広がっている。

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