タブレット活用研修 アクティブ・ラーニングに向け

アクティブ・ラーニング実現への提案が示された
アクティブ・ラーニング実現への提案が示された

(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)は、アクティブ・ラーニングとタブレット端末活用を考える情報教育対応の教員研修全国セミナーを9月3日、東京都千代田区のUDXカンファレンスで開いた。情報活用能力育成に向けた探究学習の提言、同端末を授業で有効活用するための実践ステップなどを、研究者や教員が報告。今後の推進策も話し合った。

東北学院大学教養学部の稲垣忠准教授は、情報活用能力を育てる探究型学習のカリキュラム・マネジメント例として、3ステップを押さえたプロジェクト学習を説明。

この学習では、▽収集(調査内容や方法の吟味)▽編集(思考を伴った表現や処理)▽発信(受け手を意識した伝達)――を押さえた展開を重視。子どもたちが主体的に情報を集め、吟味した上で、じっくり考えて編集し、創造し、切実感を持って他者に伝える学びを実現したいとする。推進時に注意する点では、学習者にとって意味のあるプロジェクト目標やゴール設定、単元を通じて探究を深める長期の学習プロセスを指摘した。

より良いゴール設定に必要な視点では、▽単元のねらい(各教科の単元で育むもの)▽活動目標(学習者が何のため、誰のために取り組むのか)▽制作物(学習者が学びの成果を何に表すか)▽思考ポイント(学習過程で最も考えてほしい点)――を意識しておこうとアドバイスした。

タブレット端末を生かした複数の教員研修や実践例も示された。

さいたま市立七里小学校の山口真弓教諭は、全校で教員と児童がタブレット端末を有効利用するためのステップで取り組んだ研修や授業を説明した。

端末使用の苦手意識や授業での準備ストレスなどを軽減するために、教員には段階的な働きかけを実施。教員研修会では、全教員参加の中で、授業に生かしやすい端末の機能などを説明。利用の輪を広げた。端末活用マニュアルは、極力、専門用語を使わず、写真事例を豊富に収録。校内に有効利用例の掲示物を貼り、アピールする工夫もした。

児童の指導ステップでは、発達特性の考慮や思考、表現、学び合いの力を高める同端末利用場面の意識を大事にした。

1年生生活科の学校探検では、児童に端末を持たせ、校内でのそれぞれの発見を写真に撮影させた。端末で友達と写真を見合いながら、互いの発見を話す機会を生み出す中で、気づきと対話力を育んだ。

3年生理科の植物観察では、植物の成長をカードに絵で記録する一方、端末のカメラを使って写真でも収録。2つの記録を見比べながら、グループで気づきを意見交換。端末に互いのコメントなどを加え、電子黒板に一覧表示をした。各自の記録や考えを見せ合ったり、比較したりする中で、話し合いや個々の思考、確かな理解の深化につながったと話す。

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