教科書協会が行動規範を制定 文科相に提出

松野文科相に行動規範を提出する野澤会長(左)
松野文科相に行動規範を提出する野澤会長(左)

教科書発行40社が加盟する(一社)教科書協会は9月9日、自主ルール「教科書発行行動規範」を制定した。検定中の教科書を閲覧させ、教員らに謝礼などを支払っていた問題を受けたもの。同日、同協会の野澤伸平会長(山川出版社社長)が松野博一文科相に規範を提出した。このほか、文科省は高校教科書発行会社が教員に教材を無償提供していた問題について都道府県教委からの聞き取り調査を発表し、新たに明治書院が同様の行為をしていたのが発覚した。

同規範では、時期や名目を問わず、採択関係者に金銭や物品、労務、食事などを提供する行為を禁じた。一方、使用中の教科書や教師用指導書について、教員から意見を聴取する行為は許容されるとしたが、対価の支払は禁じた。教科書などの編集に関与した場合に限っては、適正な報酬は支払える。

こうした行動規範への違反に関する通報・相談窓口を、同協会内に設置するとした。加盟社には、教科書採択の公正が確保できるように、営業活動に関するルールを策定するよう求めた。同協会に、この規範の策定状況や社員を対象にしたコンプライアンス研修など実施状況を報告するよう義務付けた。この規範に違反した場合は、協会を除名する規定も盛り込んだ。

教科書発行行動規範を受け取った松野文科相は「これを順守徹底してほしい」と訴えた。これに対して野澤会長は「加盟各社に周知させていく」と語った。

同日、文科省は加盟40社に、行動規範の順守徹底を図るよう藤原誠初中局長名で通知を発出した。

また高校教科書発行会社が教員に教材を無償提供していた問題で、新たに明治書院が同様の行為をしていたのが明らかになった。高校1校に教師用指導資料を献本していた。同社によると、健康上の理由で退職していた者が献本しており、調査ができなかったと説明。同社から献本された学校からの連絡を受けて、同省に報告していた。

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