チーム学校でシンポ 職種間の葛藤を考慮に協働

協働の形を探った「チーム学校」シンポジウム
協働の形を探った「チーム学校」シンポジウム

中教審答申「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(平成27年12月)をめぐり、どのような協働の形が可能かなどを考えるシンポジウム「チームとしての学校を考える―多職種協働と学校組織―」が9月18日、日本教育社会学会第68回大会の一環として、名古屋大学で開かれた。

報告者として国立教育政策研究所の藤原文雄総括研究官、名古屋大学の丸山和昭准教授、日本大学の西脇暢子教授、討論者として慶應義塾大学の佐久間亜紀教授、司会として常葉大学教職大学院の紅林伸幸教授、佛教大学の保田直美准教授が参加。分業の重要性や協働の移行に当たっての実効的な方策が議論された。

その一方で、現職教員からは、実現できるほど十分な人員が配置されるのかなど疑念の声も上がった。

同答申の作成に、作業部会委員として関わった藤原総括研究官は「日本の学校は人間くさい組織。チームをどう作れるか。この答申は分業制を見直すための提案」と課題を挙げた。学校では戦後ずっと、職種間の分業が「抗争」のように続いてきており、チーム学校の議論は「実は新しいものではない」と指摘した。「チーム学校とは、新しい学校には新しい教職員の配置とマネジメントが必要だという提案。校長1人でマネジメントするのではなく、校長補佐役のチームで学校経営をする。マネジメントの在り方が変わる大きな転機になる」と意義を説明した。

丸山准教授は専門職論の観点から、多職種協働の先行事例として医療分野での「教訓」に焦点化。▽連携不足が重大事故と結びつく▽協働の過程には職種間の葛藤が伴う▽葛藤は予防・軽減できる▽葛藤の一部は必要▽葛藤を乗り越えるには、協働を動機づける制度が必要であり、専門職としても声をあげるべき――と明言。「チーム学校の実践過程には、職種間の葛藤と教員の負担が増える可能性も含めて記述するべき。新たな職種関係への移行における協働負担も考慮に入れた人員配置を、教育政策には期待したい」と課題を示した。

組織論の専門家である西脇教授は、「学校は、保護者、生徒、行政、地域など利害関係者の、多様で青天井の要求に常にさらされている。目標に優先順位をつけにくく、人依存型組織になりやすい。それが、学校の組織的な特徴」と分析。「組織は人の集合ではなく、生み出す力と活動の体系。協力がなければ組織ではない。営利、非営利の違いはあっても、企業と学校はその点で変わらない」とアドバイスした。

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