子供の「学び方」指導の共有を 西留安雄元校長に聞く

子供の「学び方」指導を全教員で共有しよう――。高知県教育センター教職研修部で若年教員研修アドバイザーを務めている西留安雄元東京都東村山市立大岱小学校長(「カリキュラム・マネジメントとチーム学校の連動」連載中)は、校長時代から大胆な学校経営に取り組み、成果を上げてきた。次期教育課程を見据え、同氏に、学校経営や授業改善の課題などを聞いた。


――学校経営と授業改善の課題は。

今も教師主導の一斉・知識習得型授業が多い。寺子屋からの長い伝統と一定の意義は認めるが、子供の実態を見ず、疑問を持たずに引き継がれているのは問題。受験も大きく影響している。各教科内だけで完結している授業や教材研究のあり方にも課題を感じる。授業では子供自身が「学び方」を知るための指導探究が乏しい。覚える授業から、子供が考える授業へのシフトが必要。対話型授業や、学習が理解できない子供の支援策などを充実すべきだ。

小・中・高校など学校間の系統性を踏まえた授業のあり方や指導体系への意識も疎かだ。きちんと学びを積み上げられず、多様な「~ギャップ」が生じている。これは学校や教師側の問題。同様に、教師ごとに異なる指導観や授業形態が織り混ざって進んでいるのも子供の学びを阻害する。

――今後求められる授業や学校経営は。

次期学習指導要領では子供たちが主体的、協働的に問題解決を図るアクティブ・ラーニングをうたっている。これは、は取り立てて新しい学び方ではない。学校と教師は、変化が大きく、協働性が強く求められるこれからの時代を知り、その社会を生き抜く子供たちのために必要な授業を追究しなくてはいけない。

アクティブ・ラーニング実現には「学習過程の充実」が大事。次期学習指導要領総則が指摘する▽主体的・協働的▽見通し▽振り返り▽言語活動――などのキーワードを意識し、体験学習やディスカッションを組み込んだ問題解決型学習を組み立てたい。

課題として挙げた教科指導優先の授業や研修、統一性のない授業方法や学習過程を修正するのが大事。学校と教師全体が協働的な問題解決型授業を見据え、全教科を貫く共通の学習過程や授業方法を追究し、共有していくべきだ。

――カリキュラム・マネジメントの具体例は。

各教科の枠内で内容習得を注視した授業や教材研究を進めてきたのを改め、子供同士で学び合う力を高めるための学び方指導を全教科共通で重視し、明確化したい。ポイントは、子供主体の多様な学び方を段階的に経験し育めるような内容を押さえる点。聞く、話す、読む、書くの言語活動やペア学習のルール、まとめや振り返りの方法などがある。各教科や全ての学びを通じた問題解決型学習の位置付けも大事。

全教師が各教科の共通ベースとなる子供の学び方指導を押さえながら教科教育の専門性を深める2層構造を共有し、授業力を磨くのが大切。このようなカリキュラム・マネジメントが進む中では、教師不在でも子供同士が自立的に学ぶ力が育つ。私は、教師が問題解決型授業を展開し、実現できるようにするために、具体的な学習指導と事前指導内容40項目を記した「学習過程スタンダード40」を作成。高知県越知町教委サイトで公開している。アドバイザーを努める高知県内の小・中学校の実践で生かすBasicガイドブックも高知県教育センターサイトで公開している。