中学生は職業安定志向 一方「夢を叶えられる」を重視

中学生の職業志向性を分析する多喜准教授
中学生の職業志向性を分析する多喜准教授

地位達成と自己実現の2軸から見た「中学生の将来希望と職業志向性」についての研究結果を、多喜弘文法政大学准教授が日本教育社会学会第68回大会(9月17、18日開催)で発表した。

高校生の職業希望に関する研究データは過去にもあるが、中学生を扱ったものはほとんど例がないという。全国の中学校3年生に対し、東京大学社会科学研究所が「中学生と母親パネル調査」の一環として4117人に郵送調査を行い、1854人から有効回答を得た。

どこまで教育を受けたいかを尋ねた教育希望についての設問では「大学まで」との回答が最多の60.1%、次いで「高校まで」が13.3%、「専門学校まで」が10.8%、「大学院まで」が3.8%。最も少なかったのは「中学まで」の0.2%だった。

職業希望についての設問では、「専門・技術」が最多の50.2%、「事務」が14.1%、「生産工程等(建設・輸送・農林含む)」が12.8%、「販売」が5.2%だった。

将来就く職業に関して何を「とても重視する」かを尋ねた職業志向性に関する設問では「安定している・倒産しない」が61.9%、「給料がよい」が38.9%、「残業が少ない・休日が多い」が22.1%、「有名な会社である」が12.4%。自己実現については、「自分の夢を叶えられる」が57.4%、「才能が生かせる・伸ばせる」が50.8%、「技術や専門的な知識を生かせる」が46.8%だった。

過去に同じ質問内容で行った高校2年生への調査結果と比較すると、教育希望と職業希望の結果はほぼ同じ分布を示しているが、職業志向性の自己実現では「とても重視する」の割合はすべての項目で中学生が高校生を上回っていた。

多喜准教授は「中学生のほうが明らかに夢を持っているといえる。高校生になると、職業的な自己実現をある程度あきらめる傾向が分かる。ただし、誰もが同じようにあきらめるわけではないようなので、2年後に追跡調査を行い、その点をさらに検討していきたい」と分析している。

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