気にかけてくれる人が支えに 不登校経験者が思い語る

トークライブを行う若者2人と海野主任
トークライブを行う若者2人と海野主任

「登校拒否の子どもたちの進路を考える研究会」が主催する第98回「登進研バックアップセミナー」が9月22日、都内で開催された。トークライブや質問コーナー、個別相談を実施。不登校の子供がいる親83人が参加した。

不登校を経験した20歳の男性(A)と18歳の女性(B)は、「話をちゃんと聞いてくれる人、気にかけてくれる人の存在が必要だと思う」と話した。

第1部のトークライブでは、東京都八王子市教委の海野千細学校教育部教育支援課相談担当主任が2人に、不登校への考え方やつらかった体験などについて尋ねた。

Bさんは「私にとっては不登校は『一時的な避難』だった。学校に行くエネルギーをためるために、休息という意味で休んでいた」。Aさんは「自分を守っているサイン。何も考えずに過ごしているわけではない」と話した。

また「相談できる人が誰もいなかったのがつらかった。バカにされるのではないか、恥ずかしい思いをするのではないかと話せなかった。でも話したかった。打ち明けられないから悩んでいるのに、知らない専門相談員にいきなり話すのは、やはり無理だった」とAさん。

3人からは不登校になる子について「心が弱いのではなく優しい子が多い。まわりを考え過ぎて身動きが取れなくなり、悩んでしまう」とも。

不登校が親の責任とされている現状に関して海野主任は「家庭での親子のやり取りがきっかけになるのではない。学校で何かが起こったから、不登校になる場合が多い」と説明した。

また「本人の興味関心を大事にしていく。必要性を感じたら勉強する。そこで応援する。トラブルが起きても、そこから学べるようになっていくのが大事」との話も。

第2部では、会場からの質問に2人と専門家3人が答えた。

本音を語りたくない子供に対する接し方について臨床心理士の霜村麦さんは「無理に聞かずに『浮かない顔しているけど、どうしたの』と、こちらが気付いたところとを伝えるのが大切」と話した。

不登校のとき、まわりの人にしてほしかった対応についてAさんは、「他愛のない話でもいいから、何か話せる人が欲しかった。そうしたら、気にかけてくれているのだと思えるから」と語った。

2人へ個別に行ったインタビューでは、学校の対応についてBさんは、「トラブルがあって先生に相談したときに『向こうには悪気はなかった』の一点張りだった。せめて先生にはわかってほしかった。ちゃんと話を聞いてほしかった」と答えた。

不登校など、悩みを抱えている子に対しては「家で何も考えないでいられる時間が大切。だから、好きなことを続けてほしい。あとは、何かいいことがあったか、一日一個でもいいから考えると気分が楽になる」とBさん。Aさんは「学校が自分の世界のすべてじゃない。自分の世界や知識を広げていってほしい」と語った。

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