全国学力調査下位と平均の差縮む 小算Bで厳しい課題も

今年4月に都内の小学校で実施された全国学力調査
今年4月に都内の小学校で実施された全国学力調査

小学校6年生と中学校3年生を対象に今年4月に実施された「平成28年度全国学力・学習状況調査」の結果が9月29日に公表された。公立校の都道府県別の平均正答率で、下位3県の平均と全国平均との差が、昨年度と同様に縮まっており、学力の底上げがみられた。だが、小学校算数B問題の中には、正答率7%と厳しい現状もみられた。

この調査結果には、熊本地震の影響で、熊本県内の全小・中学校や、宮崎、大分両県の一部は含まれていない。

全国平均正答率は、小学校で、▽国語Aが72.9%▽国語Bが69.9%▽算数Aが77.6%、算数Bが47.2%。中学校で、▽国語Aが75.6%▽国語Bが66.5% ▽数学Aが62.2%▽数学Bが44.1%だった。

昨年度の全国平均正答率と比較すると、小学校では、国語A問題、算数A、Bの両問題で正答率が上がっている。中学校では、国語、数学のそれぞれA問題で下がっている一方で、両科目のB問題で上昇している。

全問題を総合した都道府県別は、小・中学校ともに、福井、秋田の両県が今年度も最上位を維持した。だが、小学校では国語B以外で石川県が秋田県を抜いてトップに。沖縄県は昨年同様に成績を上げ、13位に付けたほか、今年度はすべての科目で全国平均正答率を上回った。中学校では、福井、秋田の両県に次いで石川県が3位となった。

問題の内容をみていくと、24年度から27年度までの4年間で、課題がみられた問題については正答率が今年度も低かった。

小学校算数B[5](1)では、二辺に挟まれた頂点の1つの角度が120°の二等辺三角形を示し、その頂点のある3個の二等辺三角形をこの頂点で3つ合わせると、なぜ正三角形ができるのかを尋ねている(実際の問題ではこの二等辺三角形の図を示しているだけ)。その考え方を示した除法式(360÷120)と、3個の二等辺三角形を並べてきた正三角形とを関連付け、角の大きさを基に式の意味の説明を求めた。この問いで、説明できていた正答率は、わずかに7%と、たいへん低かった。

一方、中学校数学A〔5〕(1)の三角柱に関する問題では、改善が見られていた。空間における直線同士の位置関係に関してで、図で示した三角柱の側面の1辺と、その三角柱内の他辺との間で、ねじれの位置にある複数の辺の1つを問うた。正答率は75.9%だった。

小学校国語B〔3〕三では、文章の内容を的確に押さえるのに課題があった(同53.2%)。中学校国語B〔1〕三では、自分の考えを書く際の根拠が適切かどうか、表現の工夫ができていなかった(同58.4%)。

質問紙調査では、児童生徒、学校の両方で、「主体的・対話的な深い学びの視点による学習指導の改善」についての質問項目を、今年度、初めて設けた。児童生徒ともに「当てはまる」「どちらかと言えば、当てはまる」の肯定的な回答が7割となった。学校質問紙調査では、小学校が8割、中学校が7割と、若干ではあるが違いがみられた。

今年度の調査結果は当初、8月25日に公表される予定だった。しかし、委託業者がウェブシステムを初めて活用し、データを集計していたが、集計漏れがあった。これを受けて文科省は再度、漏れがないか調査したために、公表が大幅にずれ込んだ。

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