生徒が児童に情報モラル授業 実例を劇に理解促す

中学生が劇を交えて楽しく教えた
中学生が劇を交えて楽しく教えた

東京都国立市立国立第一中学校(黒田宏一校長、生徒数466人)の生徒が、近隣の同市立国立第三小学校(根本哲郎校長、児童数509人)に出向き、児童に情報モラルについて考えてもらう特別授業を、10月5日に行った。テーマはインターネットを通じた犯罪や個人情報の扱いなど。中学生は小学生にも分かりやすい内容や演出を工夫。トラブルの実例を劇で再現したり、実際の経験を伝えたりして、効果的な啓発につなげていた。

同小学校を訪れたのは同中学校2年生の代表25人。生徒は同小学校5、6年生に向け、グループごとにミニ授業を行った。授業はインターネット利用での、▽トラブルや被害▽加害や違法行為▽依存問題▽個人情報流失――について。

生徒は、小学生が理解できる内容を試行錯誤。この日のために、資料作成や発表練習を積んで臨んだ。

ネットトラブルや被害を担当したグループは、コンピューターウイルスの種類、スマホで撮影した位置情報付きの写真投稿の危険性などを解説。生徒はパワーポイントの提示と口頭説明を織り交ぜ、分かりやすく進めた。

ウイルスの1つ「スケアウェア」については、「感染すると、正当なソフトウェアのふりをしてセキュリティの脅威などに関する警告を発する。解決と称して料金や個人情報を要求する」と説明。「担任教師も感染した経験がある」と身近な事例を加えて警告した。

ネットでは、不特定多数の人の目がある点も指摘。位置情報付きの自撮り写真をSNSなどに気軽に投稿する危険性にも触れた。さまざまな人に住所などの個人情報が知られ、犯罪に巻き込まれる危険性があるなどと伝えた。このケースでは、生徒が再現劇を交えて啓発。ストーカーが個人情報をつかみ、つきまとう場面を演じて、児童の危機意識を効果的に高めた。

同中学校は、都教委の今年度「情報モラル教育推進校」に指定されている。「中学生が小学生に伝える」実践を通じて、児童は情報モラルと情報リテラシーの理解を深める。生徒は児童への伝達を意識する中で、情報モラルと情報リテラシーについてしっかりと学び、先輩としての自覚や自尊感情を高めるのにもつながっている。小・中学校9年間を通した学びの実現にも役立っている。

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