実際に即した避難訓練を 学校施設の防災対策セミナー

避難訓練や安全点検について語る矢崎講師
避難訓練や安全点検について語る矢崎講師

文科省が主催する「平成28年度第1回学校施設の防災対策セミナー」が10月7日、都内で開催された。学校の施設整備や防災対策に関わる200人が参加。熊本地震による学校施設の被害状況や非構造部材の耐震対策の重要性、文科省の取り組みなどが説明された。

中でも、「安全点検と避難訓練の見直し」をテーマに話した矢崎良明鎌倉女子大学講師による講演が注目された。同講師は、地震はいつ起こるか定まっていないのに、避難訓練は、いつも同じような状況下で、同じようなやり方で行われていると問題点を指摘し、実際に即した改善策を示した。

同講師は、学校で実施されている典型的な避難訓練について、▽緊急放送のサイレンを鳴らす▽校内放送で机の下に隠れるよう子供たちに指示する▽その後、校庭に避難させる――と描写した。これらについて、▽地震は放送前にも発生する▽子供たちは教室以外でも地震に遭遇する▽校庭に出られない場合もある――などの問題点を指摘した。

改善策として、①物が上から落ちてこない、横から倒れてこない場所を自ら探すよう事前に指導する②緊急地震速報の報知音と地震の効果音を流す③地震発生までをカウントダウンする④安全な場所に身を寄せさせる⑤地震が収まったと想定し、教室または校庭に集合させて安否を確認する――の順番での避難訓練を示した。急いで校庭に出るだけが避難ではないとした。

こうした改善策を反映させた避難訓練や、給食配膳中、水泳指導中といった、いつでも起こり得る地震に対応して、学校生活でのさまざまな状況を前提にした避難訓練の実際の様子などを、写真や映像で示した。

文科省作成の「学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブック(改訂版)」や「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」も紹介。同ガイドブックにある「点検チェックリスト」を基に、学校施設の点検の実施を学校関係者に求めた。

同セミナーでは他にも、新潟県長岡市教委教育部教育施設課から「中越地震を踏まえた学校づくり」について、高知県黒潮町情報防災課からは津波への黒潮町の取り組みについての説明がされた。

東日本大震災や熊本地震を受け、文科省は、学校現場で活用できる手引やガイドブックを作成してきた。同省の担当者は「本を出版して終わりではなく、直接説明してさまざまな取り組みを広めていきたい」と話した。

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