いじめの情報共有を義務付け 対応怠れば懲戒処分も

素案が提示されたいじめ防止対策協議会
素案が提示されたいじめ防止対策協議会

いじめ防止対策協議会の平成28年度第5回会合が10月12日、文科省で開催された。事務局は「いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめ」の素案を提示。委員らは、いじめの認知や対処などについて意見を出した。

いじめの情報共有は法律に基づく義務であるとされ、公立学校の教職員が対応を怠った場合には、地方公務員法上の懲戒処分となり得ると周知する必要があるとされた。これに対して委員からは「現場の教員を萎縮させる可能性がある」との意見が出た。

素案は、①いじめの認知②いじめ防止基本方針③学校のいじめ対策組織・いじめの情報共有④いじめの未然防止・早期発見⑤いじめへの対処⑥重大事態への対応⑦法の理解増進等――の7項目で構成。各項目で「現状・課題」を挙げ、それについて「対応の方向性」を明記した。

「いじめの定義の学校現場への浸透が不十分である」との課題については、いじめの認知件数が低い都道府県に対して、文科省が個別に指導・助言を行うという。事務局の担当者は「通知だけでは難しいと痛感したからだ」と説明した。

インターネットによるいじめについては、法務局、警察との連携によって事例等を示しながら、学校および教委等の対応力向上を図るとされている。これに対して委員からは「内容にもっと厚みがほしい」との要望があった。

また④には、児童生徒を対象に行うアンケートに関する記述があり、学校基本方針で、アンケートの実施や結果を踏まえた対処方法を定め、迅速な対応を徹底するとされている。

アンケートについて委員からは「犯人探しという意識を持つ子どもが多い。そうではないと伝えていくべきである。アンケート結果を子どもに返す必要もあるのでは」との声が聞かれた。

素案では、学校いじめ防止基本方針やいじめ対策組織の周知のほか、教職員の業務負担軽減の推進も求められた。

一方、いじめの認知に関連して、事務局からは事例の提示がされた。

石鍋浩東京都港区立御成門中学校長は「マニュアルのように捉え、事例が絶対と思ってしまう教員もいる。この事例をきっかけに、『いじめに対する認知について考えましょう』という目的を明確にする必要がある」と述べた。

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