障害のある児童生徒用デジタル教科書など 研究を報告

(独)国立特別支援教育総合研究所はこのほど、平成27年度に終了した研究のサマリー集をまとめた。12の研究テーマでの成果を報告している。

「視覚障害のある児童生徒のための教科書デジタルデータの活用及びデジタル教科書の在り方に関する研究」では、教科書デジタルデータの活用上の課題を調査。提言として、▽点字・音声・拡大・DAISY(Digital Accessible Information SYstem)などのファイル形式に変換できるツール(ソフト)の開発▽ボランティア団体が拡大写本用に加工したデータを他団体が使用するのを認め、より効率的にデータ活用が図られるよう運用規定を改める▽発行者の利益の保護と、活用できる児童生徒の障害の程度を適切に規定する――などを挙げている。

また弱視児童生徒のためのデジタル教科書閲覧用ビューアと、点字使用者用のデジタル教科書についても要件を整理。

弱視児童生徒のためのデジタル教科書閲覧用ビューアの要件には、▽15.6インチ以上の画面サイズが必要▽メニューアイコンや操作ボタンなども拡大できるのが望ましい▽モニターアームにより画面を固定し、下向き姿勢にならない配慮が必要――など。

点字使用者用のデジタル教科書の要件には、▽図版は従来通り紙の点図を用い、解説をデータとして提供▽一般のデジタル教科書との互換性を図り、3Dデータや図形、地図などのデータを抜き出して活用できる仕組みの構築▽点字データを集約して蓄積し、共有できる仕組みの構築――などを挙げている。

「障害のある児童生徒のためのICT活用に関する総合的な研究」では、研究成果の1つとして、各障害種別の課題を提示。

視覚障害は、携帯端末の効果的な活用とアプリケーション開発。聴覚障害は、電子黒板を含む情報機器の整備と、教員のICT活用指導力の向上。知的障害は、本のデジタル化。肢体不自由は、フィッティングについての知識と、個に応じた機器の種類や数の提供。病弱は、個々に応じた活用事例の蓄積。重複障害は、情報の共有――などが課題としている。

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