大学でIB教員養成コース広がる 大学院での研究も

海外の大学への受験資格が得られる「国際バカロレア(IB)」を導入した小・中・高校で指導できる教員養成コースを、来年度に設置する大学や研究者を育成する大学院が増えている。政府は平成30年度までに、200校をIB認定校にする目標を掲げており、指導者の育成が急務となっている。

岡山理科大学は全学部を対象に、IB導入高校で指導ができる教員養成コースを設置した。IBの理念や評価、教授法などを学習し、高校教員の資格であるDPが得られる。

さらに数学または化学の教科担当教員にもなれる。IB認定校での教育実習と専科の単位を取得するのが必須だ。同学には関連校としてDP認定校である英数学館高校(広島県)があり、教育実習が実施できるなどの利点がある。

同学の担当者は「グローバル化が進む中で、IB導入高校が増えている。そこで、教員養成コースを設置した」と話す。

都留文科大学は国際教育学科を新設し、「国際的に通用する教育者の育成」の方針を掲げた。

同学科では、小学校(PYP)、中学校(MYP)、高校(DP)の資格が取得できる。加えて、歴史や英語、日本語の教科担当教員になることができる。

同学の担当者は「本学は多くの教員を育成してきた。これまでの成果を生かし、国際社会で貢献できる教員を輩出していきたい」と、新学科設置の理由と意気込みを語る。

筑波大学大学院の教育学(国際教育)修士プログラムは、IBの研究者を養成する。これにより、PYPやMYP、DPを得られるだけではなく、教員養成大学での指導者にもなれる。同プログラムでは、学術的な資格である国際バカロレア教員資格(IBEC)や、その上級資格であるIBACTLRも取得できる。入学対象者は学部卒業後、すぐに修士課程に進学するストレートマスターだけではなく、社会人や教員などを幅広く受け入れる。

同大学院の川口純助教は「IB導入校だけではなく、それ以外の学校でもIBが重視しているひとつの批判的な思考などが広がればと思っている」と期待を寄せる。

これまでは、26年度から始まった玉川大学大学院修士課程「IB研究コース」だけだった。同コースではMYPだけなくDPの資格を得られる。

IB導入高校は全国で徐々に広がっており、この10月時点で39校ある。31年度には広島県教委が併設型中高一貫校を新たに設けてグローバルリーダーの育成に注力する。山梨県教委では、県立甲府西高校で32年度にスタートする。またIBを入試に取り入れている大学が日本には現在、39校ある。

国際バカロレアに詳しい都留文科大学の大迫弘和特任教授の話 現状の教職課程では、新学習指導要領を担う教員は育たない。IB教員養成の課程が、これからの教員がどのような力を身に付けていかなければならないかを指し示す道標になるのではないか。

【来年度に設置する大学・大学院】
大学・大学院名取得できるIB教員資格
岡山理科大学 DP 化学 数学
都留文科大学 PYP MYP DP 歴史 日本語 英語
筑波大学大学院  IBEC(PYP、MYP、DP) IBACTLR

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