新たな学びを意識 ICT利活用で全国大会佐賀大会

佐賀県指定4校による成果発表会
佐賀県指定4校による成果発表会

「ICT利活用教育による新たな学びの創造へ向けて」をテーマに、第42回全日本教育工学研究協議会全国大会佐賀大会が10月14、15の両日、佐賀市文化会館、佐賀県青年会館、市内5校の小・中・高校を会場に開催された。

初日は、市立西与賀小学校、若楠小学校、城西中学校、佐賀県立致遠館中学校、致遠館高校でICT活用の各教科の授業を公開。PC1人1台の活用、電子黒板・プロジェクタ・実物投影機の活用などさまざまなテーマに焦点が当てられた。

2日目には、研究発表とワークショップが行われた。研究発表では、教科指導や特別支援でのICT活用、情報リテラシー、情報モラル、校務の情報化とICT支援員・サポート体制の構築・運営、教育・学習用ソフトウェア開発・評価、幼小の教育実践、教員研修、教員養成、セキュリティなどの取り組みが報告された。ワークショップでは、デジタル教科書やタブレットの活用、教育委員会の情報化戦略とICT活用好事例、学校経営支援のための校務の情報化、1人1台タブレット端末活用の効果測定など、テーマに沿って理解を深めた。

2日目には文科省「先導的な教育体制構築事業」の成果発表が行われた。同事業は、クラウド等の最先端技術による、学校間、学校と家庭をシームレスにつないだ先導的な教育体制を構築するための実証研究を実施するもの。実証地域として福島県新地町、東京都荒川区、佐賀県(武雄市と連携)を指定。今回は武雄市立北方小学校、北方中学校、県立有田工業高等学校、県立中原(なかばる)特別支援学校が発表を行った。

各校は、協働学習と効果的なICT利活用を通して主体的に学び自分の考えを表現できる児童生徒の育成を目指している。

また各教科でタブレット、電子黒板、クラウド・プラット・フォームコンテンツを活用することで各人の考えを可視化して比較、ペアと全体の学び合いの時間を多くとることができるようになった。その結果、自分の考え方を広めたり深めたりすることができるようになった。少人数で話し合う機会が増え、他者の考えを聞き、自分の学びを深めていることがわかった。さらに、これらが日常化することで、聞く姿勢などの学習規律が確立した。

そのような中で北方中学校では、ICT機器を活用した遠隔授業を行うことで、教室に入られない相談室の生徒や不登校生徒も、教室での授業に参加し学べるようになった。さらに、遠隔授業で異校種の有田工業高校や北方小学校が交流。アドバイスのやりとりを行うことで、距離の制約を超えた授業と専門性が身についた。

武雄式反転学習「スマイル学習」を充実させることで、予習・授業・復習のサイクルが連携し、家庭学習に全員が確実に取り組み、自分の考えをもって授業に臨むようになった。教師は、全員で授業研究に取り組み、「スマイル学習」によって教材研究が充実し、個に応じた指導への意識が高まったという。

教職員もICT活用スキルが上がった。多くの教材を扱い、情報リテラシー(情報モラル、著作権など)への意識が高まり、その中でカリキュラムを組むようになった。日頃の授業や教員研修を通じて、ICT機器を活用するのが目的ではなく、授業のねらいを達成するために、デジタルとアナログの使い分けを考えるようになった。

成果発表を通じて東北大学大学院情報科学研究科の堀田龍也教授は「発表した各校は、日常的なICT活用で授業がどのように変わるのかを具現化している。だからこそ、ICT環境をどのように整備するか、教職員の研修はどうするかなど、次への課題が見えてくる。今までの成果を発信し、全国で先導的役割を果たしてほしい」と述べた。

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