広げ・絞るで「学びの本質」 思考・判断・表現力育む

子供たちが作成した拡大楽譜を提示する三橋教諭
子供たちが曲想を貼り付けた拡大楽譜を提示する三橋教諭

第84回小学校教育研究協議会が10月18、19の両日、さいたま市の埼玉大学教育学部附属小学校(有川秀之校長、児童数658人)で開催。初日には、公開授業や研究協議分科会が行われた。

同校では「『学びの本質』を育む授業の創造」を研究主題に、①考えを増やしたり広げたりするためのマスターキーである「水平思考力(ふやす・ひろげる)」②増やした考えを絞り込むためのマスターキー「垂直思考力(しぼる)」――の2つに着目。問題解決の過程で多様な考えを生み出し、子供たちが明確な根拠を持って考えを絞り込んでいる姿を目指した研究を行っている。研究5年目となる今年は「新しい時代に求められる思考力・判断力・表現力」との副題を付けた。

こうしたテーマの中で5年3組では三橋博道教諭が、音楽科の授業を展開した。同教諭は、模範演奏や伴奏を収録してあるタブレット型端末を用意。子供たちが主体的に音楽を聴いたり、思いや意図を持って表現したりできる学び合いの場を設定した。

ストレッチから授業を始めた子供たちは、「まっかな秋」を聴いて感じた曲想を身体表現しながら歌唱。最初は照れていたが、曲がかかると手を動かしながら歌う子供たちの姿がうかがえた。

その後、感じた曲想を付箋に記入。「高い音が多いので、ほかの曲より明るい」との曲想が見られた。

グループワークでは、子供たちそれぞれが感じた曲想を提示し、考えを整理。「まっかな秋」の模唱と伴奏が入ったタブレット型端末や小型の電子ピアノを使い、歌い方の工夫について考えを広げた。これは、同校が着目する「水平思考力」を意識した学習内容。子供たちは、自分たちの歌声を録音し、聴き返しながら、意見を出し合い、考えを広げた。

グループワーク後、同教諭は、各グループが作成した拡大楽譜をホワイトボードに並べて提示。子供たちが考えた歌い方の工夫を比較した。これは、「垂直思考力」を意識した絞り込み。

グループの1つは「ゴージャスにしたい」との理由で、二部合唱を行った。同教諭は、子供たちがタブレットに録音した二部合唱を流し、他のグループと共有。子供たちは、自分たちとは違う歌い方の工夫を感じ取った。

同教諭は、公開授業後に行われた分科会で「子供たちの中からいろいろなものを引き出し、主体的な表現をしてもらいたい」と、授業への思いを語った。

同校の河野裕一校内教頭は同協議会について、「地域の学校への貢献が私たちの使命だと思っている。研究内容を発信し、指導法の改善を行っていきたい」と話した。

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