特別支援で免許法認定通信教育 視覚・聴覚障害領域で

式典で挨拶する宍戸理事長
式典で挨拶する宍戸理事長

独立行政法人国立特別支援教育総合研究所は、免許状保有率が低い視覚障害・聴覚障害の教育領域で、インターネットを利用した免許法認定通信教育を10月に開講した。それに伴い、10月19日、神奈川県横須賀市にある同研究所で、免許法認定通信教育開講記念式典を開催。特別支援学校教員についての政策動向や免許法認定通信教育事業の概要が説明された。義家弘介文科副大臣はビデオメッセージで、同通信教育への期待を述べ、特別支援教育に力を入れ続けていく意向を示した。

同研究所の宍戸和成理事長は「特別支援学校教諭の免許状取得率向上を図ることで、特別支援教育の充実にも寄与できると思っている」と述べた。

文科省が平成28年8月に公表した「平成27年度特別支援学校教員の特別支援学校教諭等免許状保有状況等調査の結果について」によると、昨年5月1日現在、特別支援学校教員(6万5559 人)のうち、当該障害種の免許状を保有している教員は74.3%。特に、視覚障害は57.3%、聴覚障害は49.9%で、他の障害種と比較して、免許状保有率の低さが際立っている。

特別支援学校教員は、免許状を所持しなくても教壇に立てる。しかし、特別支援教育のより一層の充実を求め、昨年12月の中教審答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」では、特別支援学校教員に対して国が行う支援について言及された。具体的には、平成32年度までに、おおむねすべての特別支援学校教員が当該障害種の免許状を所持するのを目指す。さらに、小・中学校の特別支援学級担任における所持率も、現状の2倍程度を目標としている。

これらの動向を受け、同研究所は、インターネットを利用した免許法認定通信教育の開講を決めた。これまで、地理的・時間的な制約から免許状取得に必要な認定講習を受験できなかった人など、全国の特別支援学校教員が、映像講義を無料で受講し、免許状取得に必要な単位を取得できる。

受講方法は、パソコン・タブレット端末などで15時間の映像講義を視聴。講義配信中は何度でも視聴可能で、スクーリング形式の授業は行わない。単位認定試験の受験資格を満たすためには、全映像講義の視聴を最後まで終え、理解度チェックテストで合格点(6割)を取る必要がある。その上で、単位認定試験でも合格点(6割)を取得すると、単位が認定される。

10月1日に開講した視覚障害教育領域の科目を、全国から350人が受講している。

今年度の単位認定試験は、来年2月4日に全国複数箇所で会場を設置し、一斉実施する予定。

来年度の受講者募集については、決まり次第ウェブサイトで公表される。

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