チャイム時の未着席を改善 漢字の読み書き定着も

学校経営をテーマに開かれた第8分科会
学校経営をテーマに開かれた第8分科会

10月20日に仙台市内で開会した全日中(榎本智司会長)の第67回研究協議会宮城大会では、市内8会場で各分科会が開かれた。九州地区が担当した第8分科会では、「時代の要請に応える学校経営の充実」をメーンテーマに、学校経営改善の取り組みなどが発表された。

佐賀県みやき町立中原中学校の牟田泰明校長は、「学校評価(随時評価、中間評価)による学校経営改善の試み」の題で発表。チャイム時に着席している生徒が2割弱、授業抜け出しが1日十数回、保健室利用者数が多い月は1日平均30人以上という課題に対し、着任後1年間で行った経営改善の実践を話した。

まず、「ふるさと中原を担う生徒の育成」を学校教育目標に、「自律と共同の学校づくりを通して」との副題を加えた。これは、「自律と共同」が職員の教育の規範として位置付き、意識化されるのを意識したもの。

チャイム時の未着席問題では、自己判断(自律)と、声を掛け合う環境づくり(共同)が必要と評価(随時評価)。PTAの協力を得て、全学級に電波時計を購入し、1日22回あったチャイムを3回に減らすなどの変更を行った。その結果、ほとんどの生徒が時間前に着席し、学校の雰囲気が静かで落ち着いた様子に変わったという。その波及効果か、保健室の利用も激減した。

10月の中間評価では、教員の自己評価の主語を「私」に変えたり、項目数を21から10に減らしたりして、当事者意識や目標への意識を強くした。そして中間評価の結果に基づき、全職員で重点指導項目を設定して実践した。その成果として、始業前に離席していたり、授業を抜け出したりはなくなったという。

同校長は「1年目に観察・評価、2年目に改善では遅い。学校の現実を評価する基準は、学校教育目標と、校長自身の教育理念。臆せず随時に評価し、改善案を提示する。校長の教育理念が職員間に浸透していく結果、学校教育目標が実現する」とまとめた。

続いて沖縄県宜野湾市立嘉数中学校の仲田丘校長が「二次障害のない、支え合う校風の育成のために」の題で発表。

同校は、▽通常学級に6.5%存在するといわれる発達障害の生徒に関して、教師側から見て気になる生徒の数が12%と倍近い▽規範意識や基本的な生活態度が育っていない生徒が多い▽自己肯定感が低い▽学びに対して消極的、否定的という負の共通の思いが強く、些細なことが大きな問題行動に発展するケースが多い――といった特徴があった。

そこで、指導の視点を抜本的に変え、荒れの原因を学習不振ととらえ、スローガンを「生徒指導困難校」から「学習活性化へ」に改め、校長講話を中心に実践を行った。

実践は、▽毎月1回の校長講話。人として生きていく上で大切なことを伝える▽PDCAサイクルに基づく自己管理能力を育てる。頭・心・体を磨く「3つの目標」を本人が設定し、学期ごとに評価していく▽学習ブースを設置。数学、英語などの積み上げ授業は、個別に引き抜き個人指導▽新聞コラムの書写▽国語、英語、数学、社会、理科の教科書にある漢字の読み書きテスト(マルチベーシックテスト)。週末に配布し、翌週同じ内容で実施。全生徒が教科書にある漢字の読み書きができるようにする――など。

その結果、荒れていた生徒が急速に落ち着き、「いわゆるグレーゾーン」の生徒が消えたという。

同校長は「一人ひとりが目標を持ち、互いの真剣な姿を確認し、それぞれの個性を尊重する校風は確実に育った。今後も学校一丸となって深めていきたい」とまとめた。

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