いじめ防止施行状況の議論まとめ案 協議会が大筋了承

議論のとりまとめ案が大筋で了承されたいじめ防止対策協議会
議論のとりまとめ案が大筋で了承されたいじめ防止対策協議会

文科省のいじめ防止対策協議会は10月24日、平成28年度第6回会合を同省で開き、「いじめ防止対策推進法の施行状況に関する議論のとりまとめ(案)」を大筋で了承した。

大筋了承はあったものの、いくつかの問題点が委員から指摘された。いじめ防止対策推進法でいじめの重大事態については規定があるが、その報告件数が少ないので、より明確化し、事例の提示を求めたほか、いじめの情報共有を義務として明記。情報共有を怠った場合に、地方公務員法上の懲戒処分となった事例を周知する必要があるとした。文科省の担当者は、これらの事例の選定について「年度内にはまとめたい」としている。事例集としてまとめるかは、今後検討していくとした。

素案の段階では、いじめの対応を怠った場合は懲戒処分となり得るとしていた。委員から「現場の教員を萎縮させる」などの意見があり修正したが、「懲戒処分」の記述は残っている。

委員らからは、前回に引き続き修正を求める声が聞かれた。「懲戒処分」の明記について、担当者は「検討していく」としている。

同案では、学校への対応として、学校基本方針で、いじめ対策の達成目標の設定を求めた。いじめに対する取り組みについて、年間を通して取り組む計画を定め、学校評価で目標の達成状況を評価。学校基本方針の内容をホームページなどで公開し、入学時や各年度開始時に、児童生徒や保護者、関係機関等に説明する必要があるとした。

また、いじめは決して許されないと児童生徒に理解させるため、道徳教育をはじめとする教育活動全体での実践的な取り組みを求めた。これに関連し、就学前の段階から発達段階に応じ、幼児が相手を尊重する気持ちを持って行動できるような取り組みを促すとの記述も。

SNSによるいじめへの対応については、情報モラル教育の充実とともに、児童生徒からの相談を専門的に受け付ける仕組みの普及の推進が必要とした。

保護者などへのいじめ事実の正確な説明が必要とされたのに関連し、座長を務める森田洋司鳴門教育大学特任教授からは、記録やメモ書きが重要との意見があった。委員らからは「書式に基づく記録ではなく、メモ書きでもいいと、現場の教員に周知してもらいたい」「教職員の過剰な負担にならないように考える必要がある」との声が聞かれた。

文科省の担当者は「記録を義務的にすると、できない教員が一定数出てくる。記録をしていないのが明るみに出るのを懸念し、教員が報告しにくくなる」と述べた。

同案は、細かい文言等の修正を行い、森田特任教授から文科省へ手交。手交時期は調整中という。

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