小規模校での学習をICTで支援 遠隔授業で中間報告会

遠隔授業の成果と課題が報告された
遠隔授業の成果と課題が報告された

文科省は「人口減少社会におけるICTの活用による教育の質の維持向上に係る実証事業の『中間成果報告会』」を10月26日、省内で開催した。同事業の取り組みや実践事例の発表、パネルディスカッションを実施。教育関係者や企業関係者が参加した。

長野県喬木村の実践報告では、同村立喬木第二小学校(小規模校)の北澤裕美研究主任が、同校と同喬木第一小学校(中規模校)との遠隔合同授業について発表した。

授業で取り入れているのは、①遠隔電子黒板システム②連携遠隔授業カメラシステム③遠隔協働学習支援システム――の3つ。①では、一方の教室で表示したものや書いた内容が、もう一方の教室にも同時に表示できる。②では、先生や友達(子供)の様子が互いに見られる。③では、タブレットに書いた内容を一斉に共有できる。

子供たちがタブレットに記入した課題への考え方を、これまでは電子黒板上に一覧表示していたが、今年度からは、タブレット上で一覧表示できるソフトを導入した。これにより、児童が主体的に学習する姿が見られたという。

課題としては、▽効果の検証▽どちらのクラスが主導して授業を進行するか▽両校の教員が関わる単元計画や指導案作成に時間と手間がかかる▽ICT支援員が必要――などが挙げられた。

一方、東原義訓信州大学学術研究院教育学系教授は、同事業の取り組みについて説明した。

小規模校や少人数学級が抱える課題としては、▽多様な意見や考えに触れる機会が少ない▽教員同士の相談・研究・協力が行いにくい▽学校外の学習施設を利用しにくい――などを提示。

これに関して同事業では、学校同士をテレビ会議システムでつなぐ遠隔合同授業の継続的な実施により、教育の質の維持向上を図る。

多人数での授業の実施を主目的とし、通年の実践として継続的・計画的に行っている。

学校教育実証事業では12地域、社会教育実証事業では5地域を指定して実証研究を実施。これらの地域の初年度の実証研究結果をまとめた「遠隔学習導入ガイドブック」を作成した。

ガイドブックは同省サイトからダウンロードできる。具体的な取り組みの参考となるよう、ポイントや留意点をまとめている。