いじめや地震・津波時の対応など 全連小が研究大会

開会式であいさつする大橋会長
開会式であいさつする大橋会長

全連小(大橋明会長)の第68回研究協議会高知大会が10月27日、高知県高知市内で開会した。全国から校長約2500人が集まった。「新たな知を拓き 人間性豊かな社会を築く 日本人の育成を目指す小学校教育の促進~社会の変化に主体的に関わり 共に豊かな未来社会の創造に挑む子どもの育成~」をテーマに、翌28日まで、文科省講話や分科会、シンポジウムなどが行われる。

午前中に開会式が行われ、大橋会長は「日々の研究活動と教育実践の積み上げが、子供たちのよりよい育ちにつながる。校長一人ひとりと各地の校長会が自らの使命を自覚し、将来への展望を持ち、理想の実現に邁進していこう」とあいさつ。

続いて、片岡忠三大会実行委員長のあいさつや、藤原一成文科省初中局視学官の講話などが行われた。

午後には、市内13会場で、いじめへの対応や津波を想定した避難訓練など、26テーマの研究が発表された。

滋賀県大津市立和邇小学校の上田洋一校長は、平成23年に同市で起きた中学校2年生のいじめ自殺(大津市中2いじめ自殺事件)を踏まえながら、「学校の危機に対応できる学校体制を目指して~『いじめ防止基本方針』を踏まえた取組」をテーマに発表。いじめの早期発見のための定期アンケートや教育相談など、事件をきっかけに同市の小・中学校が行っている具体的な取り組みを説明した。

校長の役割としては、▽校長の意識=トップリーダーとして「これで命が守れるか」との危機意識を持つ▽教職員の資質向上=担任が「自分で何とかなる」の思い込みや、危険な状況に気づかない状況が生まれないように、事例を示す。また対策会議に他学年の教職員を入れて対応力向上を図る▽クライシスマネジメント(アフターケアと再発防止)=いじめへの対応は、不登校対応などにも通じる。「まさかよりも。もしか」の意識を持って学校経営に当たり、学校全体で組織的に対応し、子供が安心して生活できるようにする――などを挙げた。

鹿児島県薩摩川内市立育英小学校の神村博司校長は、「危険を予測し、安全のための行動ができる子供の育成を目指して」をテーマに発表。津波を想定した避難訓練の開始や、原子力災害発生時の学校防災マニュアル作成など、東日本大震災の教訓を生かして取り組んだ改善ポイントを示した。

同校は標高6.3メートル、堤防から道を挟んで10mメートルの立地にあり、津波が川を遡上して押し寄せる可能性がある。また約14キロ先の河口には原子力発電所がある。

そのため同校長は「東日本大震災の教訓を生かし、これまでの安全や防災に対する考え方や避難方法を見直す必要がある。校長として、危険発生時の対応要領を職員に周知するとともに、地震・津波などの危険発生時に職員が適切に行動できるようにしなければならない」と、津波を想定した避難訓練を平成26年度から実施し始めた。

避難場所として、学校から1.1キロに位置する標高16メートルの公民館駐車場を、地域の協力を得て新たに確保。さらに高台への避難が必要な場合の避難先も、計画に入れた。また原子力防災についてのマニュアルを作成。児童の引き渡し方法や手順をマニュアル化するなどしたほか、保護者との引き渡し訓練も実施した。

同校長は「今後とも、児童の防災対応能力を高める必要がある。想定にとらわれず、自分で判断し、その場に合った適切な避難行動ができる児童の育成に努めたい」とまとめた。

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