財務省が10年間で教員4.9万人削減案 文科省幹部憤る

教職員定数の大幅削減試算が財政審に示された
教職員定数の大幅削減試算が財政審に示された

財務省は、公立小・中学校の教職員定数について、少子化に伴い、今後10年間で約4万9千人の削減が可能とする試算をまとめた案を、11月4日に開かれた財政審に提案した。これには、特別支援教育について海外の事例を示し、学級規模と学力の間に相関が認められないとの理由で増員は必要ないとの趣旨を挙げた。文科省の幹部は「特支を否定するもので、これまでみてきた中で最悪の案だ」と憤る。

財務省は、少子化に伴い、今年度は全国におよそ960万人いる児童生徒数が、10年後には840万人となり、約120万人減るとした。これによって、10年後までに、教職員定数を4万9千人削減できるとする試算をまとめた。この削減があっても、10年後も現在と同様に、10クラスにつき1.6人の加配定数割合が維持できると主張する。

文科省は、義務標準法を改正し、子供の数によって教員の数が決まる基礎定数に、通級指導や外国籍の児童生徒の指導のための教職員を盛り込む方針を立てている。教員定数を10年間で2万9760人確保し、削減を1万9500人に留める計画を固めている。平成38年度には加配定数が10クラスに1.9人となるのを見込んでいる。

これに対して財務省は、通級指導について、外部人材の活用を求めた。さらに、特別支援教育で、「学級規模と学力の間に有意な関連は見られない」と指摘。

外国籍の児童生徒の指導に関しては「地域が偏在している」として、自治体や企業が連携して支援していくのが必要だと提案した。

これについて文科省幹部は、特別支援教育の指摘に関して「特支教育は学力だけでなく、『今日は箸がもてた』『字が書けた』など、社会で生きるためにスキルを身に付けるものだ。これを全面的に否定している」と財務省の指摘を批判した。

外国籍の児童生徒についても「法人税は国が6割もっていくもので、国が施策として実施しないといけない」と話す。さらに地域が偏在しているとの点には「国庫負担で補っている教育は、どの地域でも平等に教育を受ける権利がある。それを根本から覆すものだ」と憤った。

来年度予算案に向けた文科省と財務省の激しい対立が始まった。

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