文科省が強く反論 財務省の教職員定数削減案に

語気を強めて財務省案を批判する義家文科副大臣
語気を強めて財務省案を批判する義家文科副大臣

文科省は11月8日、財務省の教職員定数を10年間で約4万9千人減らす案について、反論する見解をまとめた。特別支援教育や日本語指導が必要な児童生徒の増加など多様な課題に対応するために約1万5千人の減少に留めていく方針を改めて示した。年末の予算折衝に向けて、文科省と財務省との攻防戦が今年も始まった。

教職員定数を巡って財務省は、10年後までに約4万9千人を削減しても基礎・加配定数が現在の教育環境を維持できると主張している。それによると、10クラス当たりの基礎定数割合が16.2人から16.4人となる。加配定数割合は1.6人を維持できると分析。さらに海外の特別支援教育の事例を引き合いに「学級規模と学力の間に有意な関係はみられない」などと強調。

これについて文科省は、財務省による大幅削減案を実行した場合には、現在の教育環境は維持できないと反論。財務省の基礎・加配定数割合には、通級指導や日本語指導の必要な児童生徒への加配定数が加味されていないとした。

通級指導を必要としている児童生徒は、平成18年度から27年度まで2.3倍と倍増以上。日本語指導が必要な児童生徒も18年度からの6年間で1.5倍に増えている。

特別支援教育について「学級規模と学力の間に有意な関係はみられない」との財務省の主張に関しては、文科省との考えの違いを明確にした。文科省の意図は、特別支援教育を手厚く行うために担当教員の拡充を図るものであり、「学級規模」を引き下げて教職員を増やす要求ではない。その意味で論点がずれているとした。

加えて、「ペーパーテストの学力だけをもって評価するのは適切ではない」と強調。障害による学習上・生活上の困難をどのように克服するかという論点が重要であるとした。

こうした見解は、文科省の教職員定数の在り方を検討している「『次世代の学校』指導体制実現構想のためのプロジェクトチーム」で示された。

主査を務める義家弘介文科副大臣は「財務省の姿勢に、これほど憤りを感じたことはない。子供たちの未来を見据えて今後とも議論していく」と、と語気を強めて思いを語った。

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