財務省案に抗議の要望書 全連小が首相らに提出

財務省の教職員削減案への抗議として、全連小(大橋明会長)は11月10日付で、「教職員定数の更なる充実に向けた緊急要望書」を関係国会議員に提出した。

要望書は大橋会長名で出され、安倍晋三首相、松野博一文科相をはじめ、国会議員約60人にファクスで送信。大塚拓財務副大臣、木原稔財務副大臣ら財務関係議員にも送った。

財務省が海外の事例から増員は必要ないとした特別支援教育に触れた項について要望書は、「財務省の主張のようにペーパーテストの結果だけでその効果を測ろうとすることは、現に教育を受けている子どもたちやその保護者、教員など全ての関係者の思いや日々積み重ねている努力を踏みにじる暴論であり、断じて受け入れられない」とするなど、強く反対を表明している。

また全日中(榎本智司会長)でも、同様の文書を関係国会議員に提出する準備を進めている。

全連小の「教職員定数の更なる充実に向けた緊急要望書」全文は、次の通り――。

■教職員定数の更なる充実に向けた緊急要望書

社会が激しく変化する時代にあって、全国2万の小学校長は、地域社会と一体となり、我が国の未来を担う子どもたちの教育に全力を注いでいます。将来の有益な人材の育成なくして我が国の持続的な発展はなく、「未来への飛躍を支える人材の養成」に向け、国家が積極的にリードし、国民全体で取り組む必要があります。

我が国の学校教育は、全国津々浦々にまで高い水準の教育を普及し、成長を支える人材の育成に大きな成果を上げ、国際的にも高く評価されてきました。

学級などの集団の教育力を生かした指導、確かな学力の育成を担保する充実した教科学習、豊かな情操の涵養や生活指導も含めた人間として調和のとれた育成を目指す指導、授業研究や研修等への教師の熱心な姿勢や、児童生徒等のために家庭にまで働きかけようとする使命感の強さなど、我が国の教育が培ってきた強みは今後とも大切にすべきです。そして、この強みを担ってきたのが日本の教師そのものなのです。この強みを生かし、世界で最も進んだ教育を実現するために、下記の事項について強く要望致します。
関係議員の皆様におかれましては、学校現場の実態をご理解の上、教職員定数の更なる充実を求める立場から、何卒ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

○学校を取り巻く状況がますます複雑化・困難化・多様化している中、教育条件の低下に直結する地域の実情を顧みない少子化を理由とした機械的な教職員定数の削減は、絶対に行わないこと。

○発達障害や日本語指導が必要な外国人児童生徒など特別な配慮が必要な児童生徒が増加し、現に十分な指導が受けられていない子どもたちが相当数いる状況を踏まえ、通級指導や外国人児童生徒の指導に携わる教員について安定的・計画的な配置が行えるよう基礎定数化を図ること。

○いじめ・不登校等への対応や低所得世帯の児童生徒の学力向上など喫緊の教育課題に適切に対応するため、専門的な外部人材の活用と同時に、これらの児童生徒に対して教育責任を有する教員を配置できるよう加配定数の改善を図ること。

○アクティブラーニングや小学校での外国語教育など次期学習指導要領の実施に向けた指導体制を構築するため、子どもたち一人一人にきめ細かな教育を行うための少人数教育等を実施するための教職員定数の改善を図ること。

○特別支援教育は、障害による困難を克服し自立を図ることを目指すものであり、財務省の主張のようにペーパーテストの結果だけでその効果を測ろうとすることは、現に教育を受けている子どもたちやその保護者、教員など全ての関係者の思いや日々積み重ねている努力を踏みにじる暴論であり、断じて受け入れられないこと。

○義務教育は普遍的に必要な教育を国の責任において実施するものであるとの認識から、財政論・費用対効果の観点のみで教職員定数の合理化について議論することなく、学校現場や地方公共団体の政策ニーズも踏まえて判断すること。

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