水泳の飛び込み指導を原則禁止 東京都教委

東京都教委は11月24日、都立学校の水泳の授業などでスタートを指導する場合は、事故防止のために飛び込みを原則禁止し、水中からのスタートとする方針を決めた。他の自治体でも同様の動きがあるほか、文科省も対応を検討している。

今年7月14日に、都立墨田工業高校の水泳の授業で、保健体育の教諭が約1メートルの高さに掲げたデッキブラシを越えて飛び込むよう指示。飛び込みスタートをした3年男子生徒が、プールの底に頭部を強打して首を骨折した事故が起きた。水深は1.1メートルだった。都教委では、この事故を受けて、事故防止の徹底を通知するとともに、学識経験者や学校関係者などから意見を聞き、スタートの取り扱いを検討してきた。

同方針では、▽都立学校の体育の水泳授業や水泳大会などの学校行事で「スタート」を指導する場合は、事故防止の観点から、平成29年度以降は、原則として水中からの「スタート」とする▽自校のプールの構造に留意し、水深の確認や十分な水量の確保など、学習環境の整備を確実に行う▽安全を最優先し、3年間を見通した系統的な水泳の指導計画を保健体育科全教員で作成し、授業実施に当たっては、共通理解の下で、保健体育科としての組織的な指導を進める▽プールを使用した学校行事の集団演技などを行う場合は、生徒が危険な行為を行ないように安全確保について全教職員の共通理解の下、指導の徹底を図る▽水泳部で飛び込みによるスタート練習が必要な場合は、必ず顧問教諭か部活動の指導業務を委嘱した外部指導員の指導の下で、段階的な指導を行う。その際、初心者だけでなく一定の技能を身に付けている生徒についても事故の可能性に留意し、安全に入水する姿勢と水中動作などについて生徒が十分に理解できるよう指導する――としている。

長野県でも昨年7月、プールへの飛び込みが原因で生徒が首を骨折し、半身不随の後遺症を伴う事故が発生。県教委は飛び込み指導を禁止した。岐阜県多治見市でも市立中学校で同様の事故が起こり、指導の周知徹底を図っている。

現行の小・中学校学習指導要領および同解説では「水中からのスタート」と明記されており、飛び込みは禁止されている。一方、高校では、飛び込みは水泳技能の1つとして位置付けられている。生徒にとってプールへの飛び込みは、高校で初めて行うので、「段階的な指導を行うとともに安全を十分に確保する」とされている。

文科省は、プールでのこうした事故を受けて、高校の次期学習指導要領に関連して「水中からのスタート」を盛り込むかどうか検討している。今後、都道府県教委から状況を聞いて判断するとしている。さらに来年度には、プールへの飛び込みについて安全管理を徹底するよう通知を発出する見込み。

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