全公立小に特別支援教室 巡回教員が発達障害児を指導

東京都教委は今年度から、都内全公立小学校で発達障害児が特別な教育ニーズに基づく指導を受けられる「特別支援教室」の設置を始めている。これまでの「情緒障害等通級指導学級」に替わるもの。通級を伴わず、児童が在籍校で、巡回指導教員による指導を受けられる。都教委は同教室設置によって、より多くの児童が支援を受けられ、指導内容の充実が図られるなどとしている。

これまで、高機能自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害、学習障害などの発達障害がある児童は、在籍学級の授業の一部を抜けて、他校に設置された情緒障害等通級指導学級で、特別な指導を受けていた。

だが、発達障害児は全ての学校に在籍していると十分に推測されるため、在籍校で指導が受けられるように、各小学校に特別支援教室を設置。巡回指導の拠点校から巡回指導教員が派遣される。

同教委は、平成22年11月に作成した「東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画」に基づき、教員が巡回して発達障害教育を実施する特別支援教室の全公立小学校への導入を目指した。これにより、24年度から3カ年をかけて、モデル事業を実施してきた。同モデル事業の成果を踏まえ、今年度から、準備が整った区市町村から順次設置が始まった。

現在、20区14市1町4村の、合わせて39区市町村の602校に、同教室が設置されている。都内公立全小学校のおよそ半分に当たる。指導教員が巡回する日数などは、指導する児童数や時間数などに応じて、各学校と区市町村教委が決める。

設置した区の1つである千代田区では、小学校だけでなく、中学校と中等教育学校にも同教室を設置し、発達障害児の在籍校に、巡回指導教員が派遣されている。最大週8時間まで、在籍学級での授業時間の間に、特別支援教室で指導を受けられる。巡回指導教員が来ない日でも、同区が各校に配置した特別支援教室指導員が、児童の在籍校の特別支援教室で指導に当たる。

従前の情緒障害等通級指導学級設置校への通級では、児童には保護者が付き添わなければならず、保護者の負担は大きかった。また子供には、通い慣れた在籍校で多くの時間を過ごさせたいとの思いが強かった。

同教室の設置は、保護者のこうした思いを実現する施策でもある。

都教委は同教室設置によって期待される効果として、▽全小学校に設置し、より多くの児童が支援を受けられる▽在籍校での個別指導や小集団指導を通して、児童の学力や在籍学級での集団適応能力の伸長が図られる▽在籍学級担任と巡回指導教員との連携が緊密になり、指導内容の充実が図られる▽教職員や保護者が指導の内容を知る機会が増え、児童理解、障害理解の深化が図られる――などとしている。

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