子供貧困対策理解に向け 居場所事業のねらいで説明会

取り組みを説明する上野事務局長
取り組みを説明する上野事務局長

日本財団は、各地で進む子供の貧困問題への対策や課題を報道関係者に実感的に理解してもらうプレスツアーと説明会を、11月30日に開いた。ツアーでは、都内の児童養護施設や自立援助ホームを訪問。施設見学や施設長への質疑などで交流を深めた。同財団「子どもの貧困対策プロジェクト」の第1号拠点として今秋、埼玉県で子供の居場所運営を開始したNPO法人Learning for Allも、事業の特性や今後の運営について説明した。

同法人は「困難を抱えた子供たちへの質の高い学習支援や機会提供」と「教育課題に直接取り組む経験から社会課題を解決する人材を育む」活動を推進。同法人の上野聡太事務局長は、▽子供目線▽絶え間ない学習▽当事者意識――という価値観を重んじて事業に取り組んでいる点を話した。

学習支援では、学ぶ機会に十分恵まれていない生活保護受給世帯の子供などを対象に実施する。各自治体や学校、福祉などと連携。学校内に学習教室を設けたり、公民館でケースワーカーなどと連携したりして展開する複数のモデルがある。

指導者と子供の指導比率は1対1~3ときめ細かい。厳しい選考を突破した大学生ボランティアが指導に当たる。選考では、▽最後まで粘り強く子供の変化に向かい合える▽子供にとって効果的なアクションを追究し常に変化できる▽子供、チームメンバー、保護者など周囲を巻き込み成果を出せる――という資質を重んじる。

採用された指導者は、さまざまな専門家の知見を踏まえた約50時間のオリジナル研修を受講。低学力だったり、多様な学習障害を抱えていたりする子に応じた教材開発や、深く寄り添った指導の実現を大事にする。そのため、指導者同士の振り返り、授業や教材改善を継続的に行っている点も指摘する。

同法人では、長年続けてきた学習支援をベースに、一層充実した幅広い子供支援を実現しようと、今秋から、同財団と協力して「家庭でも学校でもない第三の居場所」の運営を担う。

集う子供たちが安心できる居場所と食事などを提供。学習支援をはじめ、本の読み聞かせで学びの基礎や人と関わる力などを築く。貧困家庭の子供が欠如しがちな自立する力の伝達行為となる社会的相続の補完、学びの意欲ややり抜く力など非認知能力の育成を図っていきたいとする。

上野事務局長は、学習支援で関わった多くの子供たちは、「学校などでの全体指導の適応に困難を抱えている」点を指摘。今後、学校との連携が深まり「互いが把握している子供の状況データを共有し、幅広い子供理解とより良い指導につなげられれば」と願っている。

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