横断歩道で車止まらない 子供目線で大人のモラル向上

栃木県宇都宮市教委はこのほど、大人の行動を市内の小学生の目線で捉えた、大人のモラル向上のための啓発紙「コドモのメセン」を作成した。子供の素朴で鋭い目線によって、大人が何気ない行動を自ら反省し、「もっと周囲に目を向けよう」と思わせる内容だ。

冊子には、子供も大人も共感できる漫画で、大人のモラルが問われる場面が描かれている。表題には「大人のモラル育成講座」とある。内容は、▽自己中心▽スマホ▽他人の迷惑▽思いやりなど8つのケース。それぞれに、子供の体験談と、それに対する大人の感想が載っている。

「自己中心」では、「信号機のない横断歩道を渡ろうと待っていたら、車が全然止まってくれません。ここに歩行者がいるのに……」と。この児童は、かなり遠回りをして、信号機のある交差点を渡らざるをえなくなったという。そして一言。「横断歩道は歩行者優先のはずなのに、どうしてかな?」。

子供のそんな素朴な疑問に対し、大人は「急いでいるときこそ、周りへの心配りが大切と気付いた。優先すべきは自分じゃなかったよね」とコメントを寄せている。

また「スマホ」では、「スイミング教室中、ガラス越しの観覧席を見ると、スマホを見てるお母さんばっかり。ねえこっちも見てよ!」と。子供が頑張っているのに、親の視線の先には液晶画面しかない。子供たちに、スマホ依存を注意する前に、まずは大人が、自分の行動を見直す必要がある。子供は大人をよく観ている。「コドモのメセン」は、やはり鋭い。

平成23年度に実施した同市民への意識調査では、「ルールを守れない大人やモラルのない大人が増えている」との回答が、81.4%にも達していた。信号機のない横断歩道で横断を待っている歩行者がいても、横断歩道前で止まらない車については、日本自動車連盟(JAF)が今年8月から9月にかけて実施した調査でも明らかになっている。9割以上の車が、止まっていなかった。

冊子は、同市の図書館や地区市民センターで配布。同教委は、「本来であれば、大人には、子供たちの手本となる行動が求めらる。未来の担い手となる子供たちを社会全体で育てるためにも、大人のモラル向上が大切」と述べている。

冊子は、同市教委サイトで公開されている。

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