来年度予算案 教職員定数や給付型奨学金は大臣折衝へ

文科省の平成29年度文教関係予算案の内容が12月16日、明らかになった。義務標準法の改正を視野に、来年度からの10年間にわたる公立小・中学校の教員定数約3万人増員計画と給付型奨学金については、今月19日に行われる松野博一文科相と麻生太郎財務相との大臣折衝に、決着が持ち越された。いじめ・不登校対策に61億円、道徳教育に20億円などが計上された。

文科省は、安定した教職員定数改善を目指す中期計画「『次世代の学校』指導体制」の推進に1兆5263億円を概算要求で要望していた。義務標準法の改正を視野に、来年度からの10年間で、基礎、加配定数を含めて公立小・中学校の教員定数を2万9760人増員したい考えだ。

発達障害がある児童生徒を通常学級で指導する「通級指導」と、日本語の不自由な外国籍児童生徒に対応する教員を基礎定数に算入するために、同法を改正する考えでいる。

これについては、財務大臣の諮問機関である財政審は、教員増を認めず、外部人材の活用を求める建議をした。

大学などの進学に向けた給付型奨学金では、自公両党の提案を参考に、文科省が、国公立大か私大か、自宅通学か下宿住まいかなどによって給付額に差をつけるなどの制度を検討している。

これに加えて、幼児教育無償化も大臣折衝事項となった。

いじめ・不登校対策には、今年度よりも4億円増の61億円を充てる。スクールカウンセラーを公立小学校1万6千校のほか、公立中学校1万校にも配置する。スクールソーシャルワーカーは今年度よりも2千人増の5047人とする。

特別支援の充実では25億円(5億円増)となり、特別支援教育専門家の配置充実などを図る。

30年度から小学校で使用される「特別の教科 道徳」の教科書の無償給与に加え、指導方法の取り組み支援に20億円(5億円増)とした。

来年度の新規事項である私立小・中学校に通学する児童生徒の経済支援では、12億円を計上した。年収400万円未満世帯の児童生徒約1万2千人に授業料負担軽減として年額10万円を支給する。

このほか、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールを新たに8校指定するなどキャリア教育・職業教育の充実に21億円、放課後子供教室と地域未来塾の展開に64億円などが充てられる。

文科省幹部のひとりは、教職員定数に向けた大臣折衝に関して、「財務省からのゼロ回答はないと思っている。ある程度の加配定数は得られるのではないか。だが、文科省が求める要望の全ては難しいと考えている」と話す。

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