次期学習指導要領で答申 中教審総会で文科相に手交

北山中教審会長から答申を受け取る松野文科相
北山中教審会長から答申を受け取る松野文科相

文科省の中教審(会長・北山禎介三井住友銀行会長)は12月21日、次期学習指導要領に向けた答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策について」を、松野博一文科相に手交した。小学校5年生から外国語(英語)が教科化されるほか、高校では近現代史が必修になるなど、科目の再編が行われる。学習内容だけでなく、アクティブ・ラーニング(AL)を導入し、どのように学び、何ができるようになるかも柱とした。

次期学習指導要領は、幼稚園が平成30年度、小学校が32年度、中学校が33年度から全面実施となる。高校は34年度から学年進行で実施される。

答申では、学校と家庭、地域が連携する「社会に開かれた教育課程」の実現を目指し、▽知識・技能▽思考力・判断力・表現力等▽主体的に取り組む態度の3つの資質・能力の育成が求められた。これを育むために、小・中・高校に討論などを通じて主体的に学習する「アクティブ・ラーニング(AL)」を導入する。

社会がグローバル化する中で、小・中・高校では外国語教育を強化する。特に、小学校外国語では、これまでの外国語活動を3、4年生に前倒しし、5、6年生で教科化する。これを受けて、30年度からの2年間を先行実施の移行措置とする旨の告示を、来年度に行う見通し。中学校では原則、授業を英語で行う。高校では、発表や討論を通じて「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を育成する。さらに小・中・高校で一貫した「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やりとり)」「話すこと(発表)」「書くこと」の5領域別に目標を設定する。

学校種別でみると、幼稚園では、小学校での接続を意識して、3つの資質・能力の基礎を育む必要性を強調。

小学校では、プログラミング教育を必修化する。人工知能(AI)が発達するなど第4次産業革命に乗り遅れないように、小学校段階から各教科を通じて理論的思考を養う。中学・高校でも情報教育に力を入れる。

中学校では、高校の歴史に新科目が新設されるのに合わせて、近代史以前の世界の動きに関する学習を充実させる。中学・高校での教育課程の一貫性・連続性をもたせるのが狙い。

運動部活動にも触れ、異なる学年などの交流で人間関係の構築が図られるとして、部活動と教育課程内の教育活動が相乗効果を上げるには、休養の設定が必要だと明記された。

高大接続改革を見据え、高校では大幅に科目を見直す。世界史Aと日本史Aを融合させた「歴史総合」や「地理総合」などの必修新科目を設ける。現行の「現代社会」を廃して、18歳選挙権を受けて社会参画を促す「公共」も必修科目として新設。選択科目では、スーパーサイエンスハイスクールでの成功例を基に、理科と数学の知識を総合させた「理数探究」が新たに設けられる。

答申を受けた松野博一文科相は「長年にわたり積み重ねてきた学術実践などの蓄積を生かしながら、多くの議論を重ねた結晶である」とし、次期学習指導要領の改訂向けた施策に力を注ぐと語った。

【関連記事】

◯【最新】次期学習指導要領の関連記事

あなたへのお薦め

 
特集