すごい人になりたかった ボート日本代表が生徒に語る

生徒に自身の経験を語る中野選手
生徒に自身の経験を語る中野選手

東京都教委と生活文化局が開催している「夢・未来」プロジェクトの「YOKOSO」プログラムが12月21日、都立日本橋高等学校(岡本裕之校長、生徒数776人)で開催された。講師を務めたのは中野紘志さん。リオ五輪の軽量級ダブルスカル(ボート競技)に出場した日本代表選手である。「すごい人になりたくて始めた」と競技へのきっかけを語った。講演後のボート体験教室は、同校ボート部員を対象に、実際に川に行って実施された。

全校生徒対象の講演テーマは「生きること、恥をかくこと」。自身の学生時代を語った。

高校生のときから「すごい人になりたい」と思い続けた。すごい人になるには、▽モテる▽勉強ができる▽スポーツができる――の3つのうち1つでもよいと考え、スポーツに打ち込んだ。水泳やサッカー、テニスを経験するが、結果は残せず。必死に勉強し、1年の浪人後に一橋大学に進学した。そこで先輩に「大学からでも間に合う」と勧められたのが、ボート競技だった。

平成21年、大学3年次にチェコで開催されたU23ボート選手権の男子軽量級舵手なしフォアで銀メダルを獲得。U23ボート選手権で日本のメダル獲得は初めてだった。今年はリオ五輪に出場。しかし、世間からの認知度の低さを感じているという。

「日本選手団のトップとして、リーダーとして東京五輪に出場するのが今の夢、今の目標」と語る。

講演後の生徒の質問コーナーでは、多くの生徒から手が挙がった。「大会などで100パーセントの力を出すためには」との質問に、「自分は絶対に失敗すると思って臨むこと。今までのものを全部出そうと思うから緊張する。その日はどんな結果が出てもいいと思って出る。ただし、練習は絶対に勝つと思って取り組む。本番の自分ではなく、未来の自分に期待したほうがよい」と言葉を掛けた。

生徒らは、自身の経験を飾らずに話す同選手に親近感を覚えた。つらかった経験や五輪の感想などの競技に関する質問から恋愛の話などまで、質問内容は多岐にわたった。中には、自ら感想を伝えたり、同選手に繰り返し質問を投げかけ話し続けたりする生徒もいて、共感の深さがうかがわれた。

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