文科省の29年度予算案 文教関係4兆428億円に

政府は12月22日、平成29年度予算案を閣議決定した。文科省は5兆3097億円となった。このうち文教関係は4兆428億円で、今年度よりも96億円減となった。毎年度、予算の焦点となっている教職員定数について同省は、来年の通常国会で、通級指導や外国人児童生徒の指導に係る加配定数を基礎定数化する義務標準法を改正する方針を固めた。これを見据え、来年度の教員定数は868人の純増となった。

この他、高大接続改革の費用が増額となり、政府の目玉政策である給付型奨学金にも予算が計上される。

公立小・中学校教職員の義務教育費国庫負担金は、教員定数の自然減などで今年度より22億円減り、1兆5248億円となった。

安定的に教職員を配置するために義務標準法を改正する。これに、増加傾向にある通級指導や外国人児童生徒のために加配定数を子供たちの人数に応じて決まる基礎定数に盛り込む。29年度から38年度までの10年間で2万人弱を基礎定数化する。内訳は、少人数指導などに9500人、通級指導に5200人、外国人の児童生徒に1270人、初任者研修体制に3459人で合計1万9429人となる。

来年度の加配定数の基礎定数化は、発達障害児童生徒の通級指導、外国人児童生徒教育の充実などで合わせて473人。内訳は、通級指導の充実で実質452人(実質=602人増やすが、特別支援学級から通級指導への移行により150人減での人数)。外国人児童生徒教育で47人など。

一方、加配定数の改善は395人となった。これには、小学校専科指導(外国語、理科、体育など)に165人、チーム学校の実現に向けた基盤整備に70人、貧困等に起因する学力課題の解消に50人、いじめ・不登校等への対応強化に25人、アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善に10人などが含まれている。

また復興特別会計として、東日本大震災で被災した児童生徒の学習支援に1千人を加配措置(22億円)。教員給与の改善として、部活動指導業務手当は3千円から3600円にアップした。

いじめ・不登校対策には今年度よりも4億円増の61億円を充てる。スクールカウンセラーを公立小学校1万6千校のほか、公立中学校1万校にも配置する。スクールソーシャルワーカーは今年度よりも2千人増の5047人となる。貧困・虐待対策のために、小・中学校1千校に重点化加配する。

道徳教育の充実には5億円増の20億円。

次期学習指導要領では外国語(英語)活動が3、4年生で行われ、5、6年で教科化される。30年度から先行実施されるのを受けて、来年度からは、教材開発などに14億円を新たに充てる。

返還不要の給付型奨学金の創設に70億円を計上する。非課税世帯の高校生を対象に29年度から一部先行する。全面実施は30年度から。無利子奨学金は279億円増の3502億円となった。加えて、財政投融資も活用する。

来年度の新規事項である私立小・中学校に通学する児童生徒の経済支援では、12億円を充てる。年収400万円未満世帯の児童生徒約1万2千人に、年額10万円の授業料負担軽減を行う。

センター試験に変わり32年度実施予定の新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のプレテストなどに57億円。

今年策定された「教育の情報化加速化プラン」に基づき情報教育・ICTを活用した推進校指定などの費用に3億円を新たに計上した。

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