7割が学校の費用まかなえず 震災後家計の厳しさ続く

東日本大震災以降、東北地域で子供の貧困問題解決に向けた活動を進める(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは12月21日、「給付型緊急子どもサポート」受給世帯を対象に実施したアンケートの結果を発表した。小学校1年生と中学校1年生の保護者の約7割が、就学援助制度を利用しているにもかかわらず「学校にかかる費用をまかなえていない」と回答。震災の影響により、世帯の家計が悪化している状況が明らかとなった。

同法人は今年、岩手県山田町・宮城県石巻市で、経済的困窮で一定の条件を満たす世帯に「給付型緊急子どもサポート~新入学応援キャンペーン~」を実施。制服や運動着の購入費用の一部として、小学生に上限1万円、中学生に上限4万円を支給した。

調査は3月28日から11月22日にかけて、同キャンペーンの受給268世帯の小学校1年生と中学校1年生合わせて283人の保護者を対象に実施。265件の有効回答を得た。

子供の貧困対策の重要な施策である就学援助制度については、77.3%が「利用している」と回答。このうち65.4%が、学校にかかる費用を「あまりまかなえていない」「まったくまかなえていない」とした。

また就学援助制度の利用が必要と考えられる中でも、「周囲の目が気になって申請しなかった」「就学援助制度を知らなかった」との理由で、制度を利用していなかった保護者が7.8%に上った。

家計の状況については、「赤字で借金をしている」は震災前が16.6%だったのに対し、過去1年間では24.2%となった。「赤字で貯金をとりくずして生活している」も震災前は18.1%だったのに対し、過去1年間では38.1%。過去1年間を震災前と比較した結果、食料、電気、水道などを経済的に購入できなかったり、料金滞納があったりといった回答も増加。震災の影響により世帯の家計が悪化している状況が浮き彫りとなった。

同調査によると、経済的困窮が子供の生活に及ぼす影響は、医療へのアクセス、就学や学校外の活動への参加、進学機会の限定と多岐にわたる。保護者は子供の就学にかかる費用の軽減のほか、子供に対する支援として学習や居場所、多様な活動への参加機会を保障する支援を求めているという。

調査結果を受けて同法人は、経済的に困難な家庭の子供への給付金や給付型奨学金などの支援を継続。東北地域では来年度も「給付型緊急子どもサポート~新入学応援キャンペーン2017~」を実施する。

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