保育所保育指針改定で議論とりまとめ 少人数の環境を

厚労省の社会保障審議会児童部会保育専門委員会(委員長・汐見稔幸白梅学園大学学長)はこのほど、保育所保育指針改定に関する議論のとりまとめを発表した。改定の方向性として、(1)乳児・1歳以上3歳未満児の保育に関する記載の充実(2)保育所保育における幼児教育の積極的な位置づけ(3)子どもの育ちをめぐる環境の変化を踏まえた健康及び安全の記載の見直し(4)保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性(5)職員の資質・専門性の向上――を示した。

(1)については、この時期の保育の重要性、0~2歳児の利用率の上昇などを踏まえ、3歳以上児とは別に項目を設けるなど記載内容を充実。特に乳児保育については、「身近な人と気持ちが通じ合う」「身近なものと関わり感性が育つ」「健やかに伸び伸びと育つ」といった視点から、「実際の保育現場で取り組みやすいものとなるよう整理・充実を図ることが考えられる」などとした。

また乳児・1歳以上3歳未満児の保育内容の実際の展開にあたっては、「少人数で落ち着いた環境を準備するなど、この時期の特徴を踏まえた保育上の配慮が必要」とした。

(2)については、「保育所保育においては、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うために、環境を通して、養護及び教育を一体的に行ってきており、保育所は認定こども園・幼稚園とともに、幼児教育の一翼を担っている」と位置付け。また意識的な教育活動として、「子どもの発達や成長を援助することを意図して、主体的な遊びを中心とした活動の時間の設定を行うなど、より意識的に保育の計画などにおいて位置づけ、実施することが重要」などを挙げた。

(3)では、健康支援として、「乳幼児突然死症候群(SIDS)に関する正しい知識や、安全な午睡環境を確保するための乳幼児の窒息リスクの除去などの配慮について保育士で共有し、適切な保育を行うことが重要」などと記したほか、安全な保育環境や子供の安全確保についても触れた。

(4)では、保護者と連携しつつ、「保護者の養育する姿勢や力が伸びていくような、保護者自身の主体性、自己決定を尊重した支援を行うことが重要」と指摘。また「貧困家庭、外国籍家庭など、特別なニーズを有する家庭への支援についても、配慮する必要がある」とした。

虐待対策にも触れ、「発生予防、発生時の迅速・的確な対応が求められている。保育所はそれぞれの家庭の多様な背景に合わせて、関係機関との連携を図りながら、適切に対応していく必要がある。保育所におけるソーシャルワークの機能について、今後の調査研究等によって具体的な検討が行われることが期待される」などとした。

(5)では、保育士の研修機会の充実が必要であり、そのためには組織的な対応が不可欠であるとして、「施設長等については、こうした職員の研修機会の確保に取り組む必要がある旨を、保育指針においても明らかにすることが望ましい」とした。

そして、それに伴い、保育士のキャリアパスの明確化も必要であると指摘している。

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