極度の貧困 解消するのは450年先になると試算

ジンバブエの子供= UNICEF/HQ02-0297/Giacomo Pirozzi
ジンバブエの子供= UNICEF/HQ02-0297/Giacomo Pirozzi

極度の貧困から最後の子供の1人が抜け出すのは2482年。国連の目標からは452年も遅れる――。子供支援を行う国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンが、そんな試算を発表した。日本でいえばこの年月は、室町末から現代までに相当する。

2015年に国連は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択。「17の持続可能な開発のための目標(SDGs)」が打ち出された。その目標の筆頭に挙げられているのが、2030年までに「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」である。具体的には、「現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」などとされている。

だが、同NGOが行った試算によると、現状の支援策のペースが続くとすれば、極度の貧困から最後の子供が抜け出すのは2482年となる。2030年には極度の貧困生活を送る子供1億6700万人のうち、90%がアフリカのサハラ以南にいる。最後の1人も同地域の子供だとしている。

試算は、1月17日からスイス・ダボスで世界経済フォーラムの年次総会が開催されるのを前に、時機を捉えて発表された。今年の世界経済フォーラムの共同議長でもある、セーブ・ザ・チルドレンインターナショナルのヘレ・トレーニング=シュミット事務局長は、「極度の貧困を根絶するのに、今後18世代もかかるような今の状況は許されない」と訴え、早期の目標達成を求めている。

世界銀行によると、2013年に極度の貧困状態にあった人は世界で7億6700万人。貧困にある子供は、学校での学習が不十分であったり、栄養失調に陥ったりしやすい傾向にある。また貧困は世代を越えて続くため、この貧困の連鎖をどうやって断ち切るかが大きな課題となっている。緊急支援だけでなく、継続した自立に向けた支援が欠かせない。

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの千賀邦夫事務局長は、「史上かつてない規模の知見を有し共有するこの時代に、子供たちが貧困の中で育つのは、決して正当化できない」としている。

【付記】1.25ドルは、同アジェンダが公表された2015年7月当時の国際貧困ライン。新国際貧困ラインは同年10月に改定され、1日1.90ドルに。セーブ・ザ・チルドレンの試算は、改定後の貧困ラインを採用(2017.3.8、編集部)

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