研修の在り方を議論 国研が幼児教育の質向上でシンポ

今後の方向性を説明する秋田教授
今後の方向性を説明する秋田教授

国立教育政策研究所は「幼児教育の質の向上を支える研究と研修の在り方を考える」をテーマにした公開シンポジウムを1月16日、文科省で開いた。同研究所内への幼児教育研究センター新設を記念し、東京大学大学院教育学研究科の秋田喜代美教授などが講演。幼児教育の歴史をたどりながら、今後の同教育研究や研修についての展望などを議論した。

同教授は「質の向上を支える研修と研究」について話した。

乳児保育の増大や長時間化、地域や家庭の経済格差など、現在の社会状況下で、幼児教育は140年の歴史の中で大きな転換点を迎えていると指摘。そんな中で、全ての子供たちに良質な幼児教育を行うのが生涯の幸福につながるという長期展望を持つ重要性を訴えた。

質の高い幼児教育には、子供の発達と生活の連続性を押さえながら、それぞれの経験や探究が深められるような学びのサイクルが重要になると強調。幼児教育を担う保育者が専門家として「探究の園文化」を形成する必要があると述べ、関係者の研修と研究の充実と発展に期待を寄せた。

全国調査を通した研修の現状や課題では、「講演や講話より、振り返りや実習の方が役立ち感が高い」「子供の姿を中心にした話し合いが多く、カリキュラムや教材研究、研究保育の話題は少ない」などを指摘。「園長のリーダーシップの違いで、実施の質に違いが生じている」といった点も示した。

そんな現状を踏まえ、同教授は、組織の誰もがリーダーシップを発揮できる「分散型、協働的モデル」を提示。園のミドルリーダー育成と園長や主任の資質向上、園が相互に開き学び合うネットワーク形成の構築などが大事になると話した。

各園の間をつなぐ専門家である幼児教育アドバイザーや園内研修コーディネーターを自治体や関係団体が協力して養成する必要性も示した。

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