郷土の隠れた偉人知る冊子 東京・八王子市が全小中に

配布された冊子
配布された冊子

東京都八王子市は、同市出身で、ドイツで献身的に医療活動に携わった肥沼信次博士の功績をまとめた冊子を、このほど市内全公立小・中学校に配布した。冊子のタイトルは「八王子の野口英世 ドクター・コエヌマを知っていますか」(A4判本編54ページ、付録8ページ)。市内教職員と児童生徒たちに、郷土の知る人ぞ知る偉人が残した業績を伝え、知ってもらうのを願っている。

冊子は、長年、肥沼博士を研究している桜美林大学の川西重忠教授がまとめた。同教授はドイツに客員教授として訪れた際、同博士の仕事を知り、その足跡と研究を深めてきた。

内容は、同博士の取り組みの軌跡や現地の人の思いをつづった複数の講演録、新聞記事、インタビュー記録などを集約した構成。多様な人の声や記録から、同博士の功績を伝える。

同博士は、ドイツのベルリン大学医学部放射線研究室で学び、同学部で東洋人初の教授資格を取得。第二次世界大戦後、ドイツのヴリーツェン市の伝染病医療センター初代所長としてチフスやコレラなどの疾病対策に尽力した。医療活動に奮闘する中で、自身もチフスに罹患。現地で亡くなっている。公園や通りには同博士の名前が付けられ、長年、市民に慕われ続けている。

同教授はこの冊子を八王子市に200冊寄贈。このほど市内の全公立小・中学校管理職に提供された。冊子は道徳の授業をはじめ、各学校の教育活動に自由に生かしてほしいとしている。

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