教採試験合格への働きかけ 沖縄県教委「あった」

経緯を詳細に説明した文書
経緯を詳細に説明した文書

沖縄県の平成28年度教員採用試験で、安慶田光男副知事が特定の受験者を合格させるよう働きかけた疑惑に端を発し、同副知事が1月23日付で辞職した。

県教委は1月24日、経緯を記した文書を公開。これは、副知事からの働きかけがあったとされる当時の諸見里明前教育長が、合格の依頼および人事異動に際して恫喝されるに至った顛末を記した内容。県教委は会見で「働きかけがあったと考えざるを得ないとの結論に至った」とした。

前教育長はこれまで、県教委の調査に対し、依頼はなかったとしていたが、「教育の中立性だけは、絶対に確保すべき」「道義的責任」などの理由から、事実の公表に踏み切ったと、文書の中で記している。文書は1月22日付で、平敷昭人教育長宛て。

1月20日の翁長雄志県知事の定例記者会見では、知事も教育長も、口利きの「事実はない」と説明していた。だが、文書の内容を当時の職員5人に確認したところ、裏付ける証言を得たため、「働きかけがあったと考えざるを得ない」と判断した。

文書から、当時のやりとりなどの経緯を外観すると――。教育長は平成27年8月に副知事から副知事室に呼ばれ、受験者3人の受験番号、教科、名前が記入されたメモを渡され、「よろしくお願い」「無理しなくてもいい」と言われた。教育長は自室に持ち帰り、幹部と協議。「こんなことは絶対にできない」との結論になり、学校人事課にも知らせなかった。副知事には最終合格発表後に合否を報告。1人は不合格だったが、副知事は何も答えなかった。

同年10月にも副知事から電話があり、学校事務職員採用試験一次合格者1人の受験番号と名前とともに、「よろしく頼む」と告げられた。所管は県教委ではなく、県人事委員会だと説明すると、副知事は「そうか、わかった」と、1件を引き取った。

さらに、人事異動への介入もあった。

平成27年1月に、教育庁幹部(教育職)の異動先を指導統括監にするよう副知事から指示され、教育長は固辞。2、3日後には再度、県立総合教育センター所長に統括監級での異動を指示された。この時には県教委委員にも事情を説明し、異動させないのを決定。それを副知事に伝えたところ、激しく恫喝されたという。

また平成28年1月にも、小学校校長を義務教育課長か那覇教育事務所長に異動配置するよう指示され、固辞したところ、厳しい恫喝を浴びせられたという。

同県教委では、「今後、不当な働きかけを受けた場合の取り扱いを定める要項を整理するなど、県民に疑念を抱かれることのないよう対応したい」としている。

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