著作権の配慮や表計算苦手 高校生の情報活用能力調査

SNSの書き込みの問題点を指摘する問題
SNSの書き込みの問題点を指摘する問題

文科省はこのほど、高校生を対象に行った「情報活用能力調査(高校)」の結果を公表した。生徒全体に、情報を読み取ったり、整理・解釈したりするのが得意な傾向があった。一方で、情報の発信・伝達で著作権・肖像権を踏まえるなどの実践面に課題がみられた。

調査は、平成27年12月から翌年3月にかけて、高校生の情報活用能力の実態把握と育成に向けた施策の展開、学習指導の改善、教育課程の検討の基礎資料を得るために実施された。

対象は、高校と中等教育学校後期課程の2年生4552人。情報活用能力調査(40分、2セット)と、情報に対する意識や行動に関する質問調査を、いずれもコンピュータで行った。

情報活用能力調査は、現行の学習指導要領に示されている情報活用能力の3観点「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」に基づいた、教科横断的、総合的な内容。

「情報活用の実践力」については、「表や図が含まれる整理されたテキストから必要な情報を読み取る問題」の正答率が77.7%で最も高かった。その一方で、「多階層のウェブページから目的の情報を見つけ、関連付ける問題」は正答率37.2%、「複数の散布図を比較して整理し、それを基に意見を述べる問題」は完全正答率9.8%(準正答率=正答を一部含む32.1%)だった。複数の情報を条件に沿って整理し、それらを根拠として意見を表現するのに課題が見られた。

「情報社会に参画する態度」では、「SNSの書き込みの問題点を指摘する問題」の正答率が80.0%で最も高かった。だが、「ウェブページで公開したい写真を肖像権に配慮して加工する問題」は正答率40.6%、「ウェブページの情報を利用する際の出典や引用に関する問題点を説明する問題」は完全正答率3.8%(準正答率54.4%)にとどまった。

基本的な情報モラルには理解があるが、情報の発信・伝達の際に他者の権利を踏まえるのには課題があるのが浮き彫りとなった。

また「表計算ソフトを用いて平均を計算する問題」の正答率は16.3%。表計算アプリケーションの実践的な活用による数的な処理も課題となった。

生徒への質問調査では「コンピュータやインターネットは仕事や勉強に役立つ」という意識を持つ生徒や、「インターネット上で他人を侮辱すると訴えられる」と考えるなどルールやマナーへの意識が高い生徒ほど、情報活用能力調査の得点に高い傾向があった。

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