PDCAで生徒指導 不登校やいじめ防止に有用

国立教育政策研究所はこのほど「魅力ある学校づくり調査研究事業」の平成26~27年度報告書を発表した。PDCAサイクルの繰り返しを通じた生徒指導で、新たな不登校の発生を防ぐことができたのに加え、いじめに対しても一定の効果が見られたとしている。

国研が考えたPDCAサイクルは、1年度のうち▽3~7月▽7~12月▽12~3月に実施。長期休業期間を活用して点検・見直しを行い、教職員個々の思い込みや認識のずれを修正。これにより全教職員の共通理解を図る。

まず年度当初前後の3~4月に、児童生徒対象の意識調査に基づき課題分析と目標設定を実施。年間の取り組み計画(P)を作成する。これに従い、全教職員で目標達成に向け取り組む(D)。7~8月には、調査・点検を通し、必要に応じて行動計画を改め(C・A・P)、9月からの取り組みに反映させる(D)。

12~1月に再度、分析から行動計画を改める(C・A・P)。1~3月に、年度内最後の取り組みを進め(D)、3月に年度内の取り組みを点検し、次年度に向けた実態把握を行う(C)。

一連のサイクルを通じて、新たな不登校の発生を防ぐ。

同事業では、このサイクルで生徒指導を進める全国18の中学校区を指定地域とし、調査を行った。指定地域の18中学校の不登校生徒数は、事業開始前の平成25年度に384人だったが、26年度341人、27年度273人。2年間で約3割減少した。この間の全国の中学校不登校生徒数は増加傾向だった。18校で新たに不登校になった生徒数は、26年度の155人から27年度の109人に減少した。

こうした取り組みは、いじめについても有用だった。意識調査の中に設けられた、▽暴力を受けた▽暴力ではないが、いじわるをされたり、イヤな思いをさせられた▽暴力をふるった▽暴力ではないが、いじわるをしたり、イヤな思いをさせた――の設問について、「まったくない」と答えた割合は、平成25年度末から27年度末までの3回の調査で、次第に増加する傾向にあった。

国研によると、全国の中学校1年生から3年生までの生徒千人当たり、その学年で不登校になる生徒は12~15人。抑制につながるのは、生徒が学校を魅力的に感じることだとしている。そのためのコンセプトとして、教職員主導で、学級や学校を全ての子供にとっての落ち着ける場所にする「居場所づくり」と、子供主体の自主的な活動を通じて互いを認め合う「絆づくり」の、バランスのとれた両立を掲げている。

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