少年法の適用年齢引き下げ 教育現場に影響

宮本久也全高長会長
宮本久也全高長会長

少年法の適用年齢引き下げが2月9日、法制審議会に諮問された。適用年齢が18歳未満に引き下げられた場合、教育現場にどう影響するのか。全国高等学校長協会(全高長)の宮本久也会長、文科省の坪田知広児童生徒課長に聞いた。

「これまでの生活指導法では難しい」

宮本久也全高長会長

本当に大丈夫だろうかと懸念している。

高校ではどの生徒にも年齢に関係なく、同じスタンスで生活指導を行っている。だが、同じ学校、同じ学級の中に、少年法が適用される生徒と適用外の生徒が混在するようになると、それが困難になる。適用を外れる生徒は誕生日に従って日々増えていき、これまでの指導法では難しくなるだろう。

保護者についても、少年法が改正されれば、親権者は非行を犯した18歳の高校3年生の子に懲戒する法的根拠を失うので、学校が従来のように親権者に協力を求められなくなる恐れもある。

また大局的な視点では、矯正教育の機会が失われないかと心配だ。少年院では綿密に計画を立て、かなり手をかけて、しっかり指導しているが、ちょっとしたつまずきで罪を犯してしまった高校生にも、刑法が適用されるとなると、刑罰を受ける状態になり、罪を見つめ直し、立ち直る機会はどうなるのかと心配している。

「教員に向けて研修の徹底を」
坪田知広文科省児童生徒課長

17歳と18歳が混在する高校3年生では、生徒指導の在り方が混乱すると予想される。

こうした事態がないよう、教員に向けた研修を徹底しなければならない。生徒には、法教育の充実が求められる。

答申が示されれば、法案改正に向かう。法務省と警察庁と文科省が連携して、今後の取り組みに向けて議論していくだろう。

ただ文科省としては、法令違反となるようなことがないように、子供たちを守る責務がある。

少年法が改正されようが、私たちの使命は変わらない。

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