1人1台タブレット 個とグループで探究

個人とグループの学びでタブレット端末を活用
個人とグループの学びでタブレット端末を活用

千葉大学教育学部附属中学校(丸山研一校長、生徒数454人)は、「1人1台タブレット端末の教育効果と運用上の課題」を主題にした今年度のICT授業研究会を2月10日に行った。2年D組の社会科では、単元「発禁本で考える江戸時代」の授業を実施。タブレット端末で同時代の4冊を読み比べ、時代背景を踏まえて、どれが発禁となったか、その理由は何かを考察。文化史から時代の特色に迫る授業を提案した。

この授業では、生徒1人に1台の端末を活用して、個人とグループで学習を進めた。題材は「好色一代男」「増補・日光邯鄲枕」「戊戌夢物語」「東国太平記」。国立国会図書館のデジタルコレクションをPDF化したもの。

前半は、個人探究とグループ協議を織り交ぜ、4冊と関連資料を読み進めた。その上で、江戸時代に発禁になった本を、理由と合わせ選び出した。選定結果と理由は教壇の大型ホワイトボードに表示し、共有した。生徒の予想で最多だったのは「戊戌夢物語」。理由には「幕府への批判や不都合な内容が書かれている」点を挙げた。椎名和宏教諭は、生徒たちの解答を見て正解を発表。4冊とも発禁とされた事実を告げた。

あっけにとられている生徒たちに後半は、4冊の発禁理由を、時代背景を押さえながら考える課題を示した。

今後の授業では、上杉景勝と伊達政宗の戦いを記述した軍記「東国太平記」に着目させる。他の3冊からは風俗を乱す点や政権批判の視点を読み解きやすい。一方、東国太平記は、江戸幕府が発禁する理由が直接読み解きにくい。この資料をさらに考察させる中で、「幕府と藩による社会体制」「武士階級による支配」という幕藩体制の特色をつかませる。同時に時代的制約と文化に関する見方も育みたいとした。

ICTを利活用する中で、生徒たちの思考過程や学習結果の可視化、教室で大勢の考えを瞬時に共有できるようになる利点を指摘。生徒の学習意欲や思考力の向上、協働の促進などにつながっているとした。

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