小中の学習指導要領案を公表 記述分量現行の1.5倍

文科省は2月14日、小・中学校の学習指導要領改訂案を公表した。現行と比較して記述分量は約1.5倍となった。「社会に開かれた教育課程」を重視するとした改訂の方向性を示した前文が、新たに設けられた。小学校では、5、6年生で外国語(英語)を教科化するほか、プログラミング教育の必修化が盛り込まれた。中学校では、主権者教育の充実や部活動の在り方などが明記された。「アクティブ・ラーニング」との文言は使用されず、「主体的・対話的で深い学び」だけの表記とされた。このほか、幼稚園教育要領案も公表された。公表日から3月15日までパブリックコメント(意見公募手続き)を行い、3月下旬に告示される見通し。


◇「前文」を新設し方向性を明示◇

次期学習指導要領は、小学校が平成32年度、中学校が33年度に順次全面実施される。新幼稚園教育要領は30年度に実施される。

学習指導要領改訂案では、新たに前文が設けられ、改訂全体の方向性が明示された。ここには、教育基本法を引用して、教育が目指す人間像や目的、目標を明記。その上で、学校と社会との連携・協働の中で教育の目的実現を図る「社会に開かれた教育課程」の重要性が押さえられた。

総則の冒頭でも、教育基本法と学校教育法などを典拠に、目指すべき児童生徒像を示し、授業改善を通して、創意工夫のある取り組みを促している。

また「何ができるか」を明確にし、育成すべき資質・能力として、▽知識・技能▽思考力・判断力・表現力▽学びに向かう力・人間性等――を挙げた。

教科横断的な学習を推進する上では、学校の実情に合わせたカリキュラム・マネジメントの確立を求めた。これに伴い、「主体的・対話的で深い学び」を実施するためには、7~8コマの単元で授業をデザインする必要があるとした。

答申の段階で「主体的・対話的で深い学び」に関連づけて記述されていた「アクティブ・ラーニング」との文言は、定義が曖昧な外来語で、法令には適さないとして使用されないこととなった。

◇小学校で新たな必修◇

小学校では、小学校5、6年生で外国語科(英語)が教科化される。これまでの活動の倍となる年間70コマ(1コマ=45分)となり、朝の会や休み時間などを活用した短時間学習の活用が示された。文科省は来年度からモデル事業を実施し、最適な形態の在り方を示す予定だ。3、4年生からは外国語活動が始まる。3年生から6年生までの間に600~700程度の単語を習得するよう目標を定めた。

新たに必修化となったプログラミング教育は、算数や理科、音楽、総合的な学習の時間などを活用して、プログラミング的な思考を身に付けるとした。具体的には、社会のインフラがプログラミングによって動いている事実を体験的に学ばせるなどが想定されている。

またコンピュータを使ったPISA2015の中で、日本の子供たちの読解力が下がった原因が、コンピュータに不慣れなせいではないかと指摘されている。改訂案では、「コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動が必要」と強調した。

◇中学校で主権者教育充実◇

中学校では、選挙年齢が18歳に引き下げられたのを受けて、主権者教育の充実を求めた。民主政治の維持と公正な世論の形成や国民の政治参加の関連について考察するとした。

教育課程外となっている部活動に関しては、「教育課程と関連が図られるように留意すること」として、持続可能な運営体制を整えるよう明記された。

◇支援への記述が厚くなる◇

障害、日本語指導、不登校の3項目を含む特別な配慮を必要とする児童生徒への支援について、現行学習指導要領よりも大幅に記述が増えた。

増えたのは、特別支援学級で、あるいは不登校児童生徒を対象として実施する「特別の教育課程編成」に関してや、通級による日本語指導について。

◇幼小接続を意識◇

幼稚園要領案では、幼小接続を意識し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を新たに明記した。

これは、小学校についての記述と関連づけ、①知識および技能の基礎②思考力・判断力・表現力等の基礎③学びに向かう力、人間性等――の3つに分け、幼稚園の発達段階として記述した。

【関連記事】

◯【新】学習指導要領の関連記事