愛知県一宮の中3自殺 担任のいじめ認識など二転三転

遺族が学校側に再三相談していたが、市教委の発表資料には、悩んでいたと気付かなかったと記されていた
遺族が学校側に再三相談していたが、市教委の発表資料には、悩んでいたと気付かなかったと記されていた

愛知県一宮市の市立浅井中学校3年生の男子生徒(14)が自殺した問題で、同生徒は、担任教諭のいじめが原因とする趣旨のメモを残していた。これについて学校側や市教委は、いじめの認識などについて二転三転。遺族や同校生徒の保護者らは、学校側に不信感を抱いている。市教委は「教員のいじめは断定できていないが、不適切な指導があったのは事実」と話している。

文科省は2月13日、事態の把握と事後対応の指導・助言のために、職員2人を市教委に派遣した。

市教委によると、男子生徒は今月6日、大阪市内の商業施設で飛び降り自殺をした。友人に渡していた携帯ゲーム機には遺言として「担任によって人生全てを壊された」などと記されていた。昨秋の体育祭では、同生徒が骨折した際に保護者から問い合わせがあったが、これに対して担任教諭は「用事がある」と対応しなかった。

こうした事実に対して、同校の上田隆司校長は12日夜に臨時PTA総会を開き、同生徒に対する担任教諭の行為について「いじめがあった」との認識を示した。だが、翌日の会見では、「いじめに当たるかどうか分からない」と説明を一転。

市教委は10日に、学校側からの聞き取りに基づき、自殺の事実を書面で発表。この中には、同生徒が「悩んでいたことに(学校は)気付かず」と記されていた。だが、遺族が、学校には「再三相談していた」と市教委に抗議し、その文言は削除された。さらに「学校はその都度対応したが、不十分だった」と訂正した。

市教委は、今月20日以降には第三者委員会を設置する意向でいる。委員には、弁護士や医師、教員OBなど十数人を想定している。

市教委の担当者は「教員のいじめがあったかどうかは今後、第三者委員会に委ねたい」と語っている。

文科省によると、事実を把握するために児童生徒課の職員2人を市教委に派遣。第三者委員会の早期設置と、報道対応の徹底を指導した。

同省の坪田知広児童生徒課長は「なぜ自殺しなければならかったのか。原因は、体育祭での担任教諭の対応だったのか、進路指導が問題だったのか。いち早く調査を始め、それに基づき、第三者委員会でしっかりと議論してもらいたい」と、早期の調査開始を求めた。

あなたへのお薦め

 
特集