小学校国語学習指導要領案 生活との接点考えさせる

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈1〉小学校国語科

2月14日に公表された学習指導要領案の小学校国語科について、改訂のポイントを、梅澤実埼玉学園大学子ども発達学科長は、次のように指摘する――。


◇未来を拓く力としての「資質・能力」◇

昨年12月の答申は新しい学習指導要領への改訂の方向を示し、2月14日に小学校学習指導要領案として公表された。小学校の国語科で、教師に何が求められているか、「資質・能力」「学習過程」「カリキュラム・マネジメント」をキーワードに考えてみよう。

子供たちが未来の社会で生きていく上で必要な力を「資質・能力」とし、①知識および技能②思考力、判断力、表現力等③学びに向かう力、人間性―の3つで整理した。国語科の目標もこの3つから整理され、「言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して」の育成を目指すことが確認された。

国語科の「見方・考え方」とは、国語科という教科としての独自性を示すものであり、日々の授業の繰り返しによって時間をかけ身に付くものである。国語科の資質・能力は、各学年の「2 内容」で、「知識及び技能」として示され、「思考力、判断力、表現力等」は、「A 話すこと・聞くこと」「B 書くこと」「C 読むこと」の領域ごとに示されている。その領域ごとの「思考力、判断力、表現力等」を身に付けるための言語活動例は、各学年の領域ごとに大綱化、系統化された。

次に、これまで、読める、書けることに中心が置かれがちな漢字指導を例に、子供たちの学びの過程から、それを実現する指導方法を考えてみよう。

◇学習過程を考える◇

まず、漢字指導を国語科の目標に位置づけることである。「国語の特質」を理解し、「伝え合う力・思考力・想像力」を育て、「言葉のもつよさ」を認識し、「言語感覚」を養うといった目標と関係づけるということである。

すると、「漢字に関する知識」は、「新出漢字を既習漢字にどのように組み込んでいくか」「これまでの漢字学習をもとに文脈でその意味を類推し理解しようとする」姿勢や力の基盤となるものとして指導されねばならない。即ち、文章を読み、書く体験(活動)の中で、「漢字を使用する意味」や「読み手の立場からの視点」などが具体的に子供たちが理解できる学習過程となる。そうした学習を繰り返すことにより、「漢字の知識」は、他の知識と関係付けられ、「漢字に対する興味・関心」が増進され、漢字の「見方・考え方」が高められることになるだろう。

指導方法として、漢字を覚えるために書くといった練習が先行するのではなく、新聞、教科書から学習する漢字を収集したり、既習の漢字に関する知識を使って新しい漢字を作ってみたり、下学年のために漢字ゲームを作ってあげるといったさまざまな活動も考えられよう。

「漢字の知識・技能」を単独で取り出し指導しても、子供たちの頭の中には個々に存在するだけで、いずれは「必要ないもの」として消えていく可能性が高い。新しい知識が既有知識(体験知も含め)とつながると知識は再構成される。さらに、活用することで、その知識の意味も価値も理解される。それは次の知識習得の土台となり、「では、次に何が問題か」といった主体性も生まれる。知識が再構成される過程は、「思考力、判断力、表現力」が働く過程であり、国語科の「見方・考え方」が深化する過程でもある。

◇教師を助けるカリキュラム・マネジメント◇

子供たちの学びを主体的なものとするためには、その学習が自分の生活のどこと接点があるかを知らせ、それを学ぶ意味を具体的に理解させ、その学習内容に対する知的好奇心を喚起させねばならない。ここに、これまで以上に教師の工夫が必要になる。

それを助けるのが、わずかな時間でも日々の実践を同僚と語り合うことである。同学年の担任からは、先行した実践で子供たちの学習活動の取り組みとそれを促す要因を聞き、上学年の担任からは、現在の学年の「資質・能力」がどのように発展するかを議論し、また、国語科と他教科の学習の関連性も語られよう。

そうした日々の話し合いがカリキュラム・マネジメントの基盤となる。カリキュラムを作る教師が、まずアクティブにならなくてはならない。

 

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