文科省の天下り問題 新たに17事案が国家公務員違反

「順法意識の徹底に向け、省内の意識改革をしていく」と語る松野文科相
「順法意識の徹底に向け、省内の意識改革をしていく」と語る松野文科相

文科省の組織的な天下りあっせん問題で、同省は2月21日、中間報告を公表した。同省調査班は、新たに17事案を国会公務員法違反と確認した。このうち、大学設置に関する情報を漏えいした問題も明らかになり、再就職等監視委員会が違反と認定した9事案と合わせると、合計27事案となった。調査は今後も継続し、3月末に最終報告をまとめる。

同日開かれた閣議後会見で松野博一文科相は、関与した職員の処分について「最終報告を待って進めたい」と話した。

新たに確認された事案の大学設置審査に関する情報漏えいについては、国家公務員法の信用失墜行為の禁止に該当すると指摘した。

これは、平成26年3月末、滋慶大学(通信課程)設置に際し、学校法人滋慶学園の特別顧問に就任していた嶋貫和男氏を学長予定者にするとの設置申請を巡る事案。これについて、大学設置・学校法人審議会の審査で是正意見が出るとの情報を、文科省高等教育局の審査事務に当たる関係職員が同省人事課に伝えていた。設置申請は最終的には取り下げられた。

調査班は、大学設置の審査に関する情報が省内で漏れていた点を、信用失墜行為と結論付けた。

また同氏の再就職に関わるメモが、平成22年7月頃には文科省人事課に存在し、歴代の関係職員の間で引き継がれていた事実が発覚。当時から定型化した作業として実施していた事実が明らかになった。

これについては、職務専念義務違反に該当すると指摘。複数の職員が携わっており、今後、詳細な調査を実施する予定。職員やOB職員の再就職に嶋貫氏が中心的に関わり、調整していた事態が人事課任用計画官には認識されていたのも分かった。調査班によると、歴代の人事課長についてはまだ確認を取っていないといい、今後確認するとしている。

このほか、新たに発覚した再就職あっせんは、筑波大学や上智大学、教職員共済生活協同組合などのケースがあった。

現時点で国会公務員法違反(職務専念義務違反を除く)の疑いがもたれている職員は、27件で延べ42人。実数は、再就職等規制違反13人、信用失墜の禁止の違反4人。このうち1人が両違反に該当し、計16人が処分の対象になる見込みだ。

会見で松野文科相は「中間報告で違反が明らかになった者を処分する。だが、再就職等監視委員会に報告し、指導を受けてからとなる。スピード感も重要だが、正確性を考えてやっていきたい」と、3月末の最終報告後に処分を下す考えを述べた。

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