中学校総合的な学習の時間学習指導要領案 探究を重視

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈9〉中学校「総合的な学習の時間」

2月14日に公表された学習指導要領案の中学校の「総合的な学習の時間」について、改訂のポイントを、嶋野道弘・元文教大学教育学部教授は、次のように指摘する――。


◇形式と理念◇

改訂された「総合的な学習の時間」を一見して、示し方が大きく変わっているのに気付く。第1の「目標」は、示し方を構造化している。また第2の「各学校において定める目標及び内容」は、3「各学校において定める目標及び内容の取扱い」が新たに加えられ、記述量が大幅に増えている。示し方(形式)と意図(理念)は密接に関係する。すなわち改訂では、この時間の趣旨とこの時間特有な学習の在り方とこの時間の重要性が明確になった。

◇探究的な学習の重視◇

改訂では「探究的な学習」がクローズアップされた。第1の「目標」は、「探究的」と「横断的・総合的」の順序が入れ替わって「探究的」の記述が先に示されている。第1の(1)は「探究的な学習の過程において、(中略)探究的な学習のよさを理解する…」、(2)は「自分で課題を立て、情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現する(探究の過程)ことができるようにする」、(3)は「探究的な学習に(中略)取り組むとともに」のように、「探究」で一貫している。また「探究」の用語の使用頻度は高い。探究的な見方・考え方、探究的な学習の過程、探究的な学習のよさ、探究的な学習に、探究課題、探究課題の解決のように全12回も用いられている。

「探究的な学習」が、この時間特有な学習であることが明白になった。

◇カリキュラムの中核◇

この時間特有な学習のもう一つが「横断的・総合的な学習」である。改訂で、この特質がカリキュラムの中核に位置付くことが明確になった。今回新たに加えられた第2、3の(1)「各学校における教育目標」を踏まえ、(2)「他教科等の目標及び内容」との違いに留意しつつ、他教科等で育成を目指す資質・能力との関連を重視すること等に着目したい。

また第1章総則第2の2「教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成」に着目すれば、この時間を教育課程編成上等閑視できない。

◇知は立地する◇

改訂の「実社会や実生活の中から問いを見いだし、社会の中で生きて働くものとして、未知の状況において活用できるものとして」等の記述は、新鮮で本質的である。生きた事実と関わり合うことを通して立ち上がる知・情・意こそ、人間の生きる力になっていく。

こうした教育理念に立てば、実社会や実生活との結び付きを強調したことは大いに歓迎されるべきである。

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