小学校算数学習指導要領案 何ができるか自覚させる

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈11〉小学校算数

2月14日に公表された学習指導要領案の小学校算数について、改訂のポイントを、日本数学教育学会理事の二宮裕之埼玉大学教育学部教授は、次のように指摘する――。


◇4領域を再編・発展◇

今回の学習指導要領改訂の基本的な考え方として、「現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質をさらに高め、確かな学力を育成」する点が示された。そのために「主体的・対話的で深い学び」を志向するとしている。

主な改善事項の1つには「理数教育の充実」が挙げられており、そこには日常生活などから問題を見いだす活動や統計教育の充実が明記された。

小学校学習指導要領案の算数を見ると、まずは「統計的内容」の充実が目につく。

現行の4領域「A数と計算」「B量と測定」「C図形」「D数量関係」に対して、新しい学習指導要領案では、「A数と計算」「B図形」「C測定」(第1学年から第3学年)「C変化と関係」(第4学年から第6学年)「Dデータの活用」となっている。

現行では「D数量関係」の一部として位置づいている「統計」が1つの独立した領域になり、第1学年から第6学年までを通して一連の学習として位置づいている。

また現行の高学年「B量と測定」に含まれていた面積や体積の測定は「B図形」の内容になった。第4学年以降は「C測定」に代わり、「C変化と関係」が新たな領域として設けられ、中学校以降の数学で重要となる「関数」の学習への接続を強く意識したものとなっている。

◇将来の統計学習へとつなぐ◇

新たに領域として設定された「Dデータの活用」で扱う内容は、将来の「統計」学習へとつながるものを第1学年から系統的に配置した。

従来からの統計的記述(データを整理して表す)に加え、高学年では、データについて考察する(統計的な問題解決)のを位置づけ、中学校以降の「データの活用」や推測統計の基礎につながるものにしている。

若い先生方の中には、中学・高校の数学で、ほとんど統計を学習していない世代もいる。新しい学習指導要領に基づいて算数の指導を進める際には、教材研究として特に統計的内容の勉強を深く進めていただきたい。

また「主体的・対話的で深い学び」が強調されているのも、今回の新しい学習指導要領案の特長の1つである。

◇数学的活動で問題解決を実感◇

学習内容と方法の両方を重視し、「何を学ぶか」という学習内容と「どのように学ぶか」という学びの過程を組み立てた上で、子供たちが「何ができるようになるか」を明確にしていくのが重要とされる。

ここでさらに重視したいのは、子供たちに「『何ができるか』を自覚させる」ような数学的活動である。わけも分からず、ただ「できるようになる」のではなく、「何ができるのか」を学習者自身が自ら認識して活動するのが重要である。

数学的活動の取り組みの配慮事項に「学習の過程と成果を振り返り、よりよく問題解決できたことを実感したりする機会を設けること」と示されているのも、そのような活動の重要性を指摘する一端と見られる。

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