小学校理科学習指導要領案 見方・考え方の提示は有用

学習指導要領案 教科・領域改訂のポイントをどう考えるか 〈12〉小学校理科

2月14日に公表された学習指導要領案の小学校理科について、改訂のポイントを、(一社)日本理科教育学会会長の森本信也横浜国立大学教育人間科学部教授は、次のように指摘する――。


◇学力3要素の定着を重視◇

現行学習指導要領では、「基礎的・基本的な知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」「学習意欲の向上」、という学力の3要素の定着を重視している。新学習指導要領では、さらに踏み込んで、教科の目標をこの3要素で示している。

学習指導要領案理科では、「思考力・判断力・表現力等の育成」の視点として、問題解決に必要な力の育成を挙げている。特に、小学校では各学年で重点的に育成すべき問題解決の力が示され、3~6学年の4年間で問題解決の力を育成するよう計画がされている。注目に値する。

考察は、問題解決過程において最も重要な活動である。しかし、理科における全国学力・学習状況調査から見ると、観察、実験結果を分析し、考察することには課題がある。これは、現代の理科教育の重要な課題である。問題解決する活動全般の質的向上を目指し、こうした課題解決を図ろうとする視点を、学習指導要領案理科に見ることができる。

◇適切な視点を示すのが重要◇

子供に、問題解決に取り組ませるためには、自然事象へ働きかける視点を示すことが必要である。適切な道具がなければ何もなしえない。学習指導要領案における、教科における「見方・考え方」は、その道具と捉えられる。それは、「物事を捉える視点や考え方」である。

小学校理科を事例にすれば、物の形や体積に「着目して」、重さを「比較しながら」、(3学年では)調べる活動、というように示されている。調べる対象を絞り込み、それらに対してどのように考えると、適切な情報が得られるのかが示されている。

形が違っていても、重さを比較すると、重さは保存されている事実を子供は見いだすことができるのである。問題解決するための糸口を示したものであり、単元ごとにこうした視点が示されることにより、子供は主体的に学習を進めることができるのである。

言い換えれば、見通しをもって観察、実験を行い、焦点化された情報に従って考察することができるようになるのである。「見方・考え方」の提示は、子供の問題解決活動を保障する意味で有用であると考えられる。

「見方・考え方」を働かせて、理科授業を進めるとき、子供の主体的な活動の成果がそこにあらわれるのは、容易に想像できる。学力の3要素である科学概念や観察、実験の技能、問題解決能力、意欲的に学習しようとする態度を、子供が自身の手で獲得できるのだ。活用性、汎用性の高い知の構築である。新たな学習指導要領に期待したい。

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